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書名:Routes -1- rinka -
章名:読切

話名:Routes -1- rinka - 変わらないもの


作:ひまうさ
公開日(更新日):2008.10.25
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:465 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
某SNSサークル企画で書いたモバイル短編

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p.1

 吹き抜ける風になぶられる髪を押さえることもせず、目を細める。この道をまっすぐ行けば帰れるという誘惑に何度も惑わされた。

 帰りたくないわけじゃないけど、そこに自分の居場所はもうないだろう。そんなことはわかっているんだ。何であれ変わらない世界なんてないのだから。

「どうしました?」
 傍らに立つ男が何も知らずに問い掛けてくる。だが、応えてやる義理も理由もない。

「リンカ?」
 見ていたのとは反対の道、つまりは仲間のいる方へ足を進めると、彼は慌てる様子もなく着いてくる。

「行っても構わなかったんですよ」
 足を止め、振り返る。彼はとても穏やかな顔で笑んでいた。こいつのこういう、人を見透かすトコが嫌なんだ。

「馬鹿言ってんなら二度と助けないからな」
「フッ、そんな照れなくても」
「照れてねぇっ!」
 怒りながら仲間と合流する寸前、囁かれた。

「心配しなくても過去は変わりませんよ。貴女の思い出がなくなるわけではありませんから」
 勿論僕の気持ちも、と付け足される。

「お前なんか嫌いだ」
「貴女の分まで僕が愛してあげますから構いません」
「…勝手にしろっ」

あとがき

言わずとしれたリンカと王子です。読み切り短編で書くものじゃないですね…。
でも、書きたくなっちゃったんだもん。仕方ないじゃん←逆ギレかよw
(2008/10/25)