城内で聞こえる爆発音に、シャルダンは書類に目線を落としたまま固まった。それから、眉間に皺を寄せて、深い息を吐いた後で、顔を上げて外を見る。その視線は窓の外にもうもうと立ち上る煙に行き、それが細く消えてゆくのを見てから、哀しげに目を閉じる。
爆発の主も、それを迅速に消火したものも、おそらくはシャルダンの思う通りの人物だろう。前者はシャルダンの幼馴染みであり、クラスター王国の唯一にして第一位の王位継承権を持つ王子である、ディルファウストであり、後者もおそらくは彼だ。
シャルダンは顔をあげて、宙に虚ろな目を彷徨わせた。
「……仕事増やすなよ、ディル……」
これから届くだろう城の修繕やらの書類を思い、シャルダンはまたため息を付いたのだった。
以上、シャルダンの日常の一部をお届けしましたー。
御礼画面が少しでも楽しめればということで
「シャルダンの日常」の一部を置いてみました。
甘くないです。
不幸な彼に、誰か愛の手を…!(笑)
(2012/11/30)