「恋人ごっこをしませんか」
「はぁ?」
私の友人はかなり変わっていると思う。少なくとも、同じような人物に会ったことはない。
「恋人ごっこをしませんか、あやめちゃん」
そして、少なくとも真顔で私にこんなことを言い出すのは、彼女ぐらいだ。私は読んでいた本に栞を挟んでおいて、友人に向き直った。
「ゆり、私の性別は何に見える?」
「女の子ですね」
「そうね。で、あんたは?」
「女の子ですよ、もちろん」
当然と胸を張る彼女は、これで至って大真面目なのである。これで校内総合順位十位に入るというのだから、頭がいたい。
「私にそういう趣味はない」
「そういうって、どういう趣味ですか?」
「女同士で恋人ごっことか、どこの百合ゲーだ」
「ゆり、げー?」
「あーあー、意味分かんないなら、それでいい」
これ以上話しても不毛にしかならないため、私は読みかけの本に目を戻した。
暫くの間、友人は静かにスマフォを弄っているようだったわけだが。
「あやめちゃん、私、あやめちゃんが女の子でもイケルと思う!」
抱きついてきた友人を持っていた本で張り倒した私は悪くないはずだ。
「アホか、アンタは!」
まさかこの話題を翌日まで引き摺るとわかっていれば、対処もしたんだけどなぁ。
面白そうなSNSを発見したので登録記念に。
そして、何故百合になったのか、自分でも謎すぎる…。
名前が「百合」なっているのは完全に偶然です。
別なプロットで書いてる二人を使いまわしてしまっただけです。
(2014/08/12)