壬生寺でぼんやりと座っている藤堂を見つけた。こっそりと近寄って、彼の前からそれを落とす。さすがというか、地面に落ちる前にすくい上げられる。
「お守り」
池田屋襲撃の傷が癒えていない藤堂のために、不器用な私がつくったお守り。
「大切にしてね」
吃驚した顔をした後で、彼は顔を歪ませて笑った。
「もちろんだよ」
怪我しないでなんて言えない。新選組を貴方がどれだけ大切にしているか、その仕事にどれだけ誇りをもっているか知っているから。
だから、私の祈りが届くように。私の代わりにそばにおいてください。
お守りは常套手段だけれど、願いの詰まった小さなそれは、きっと想いを届ける架け橋となる。