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書名:幕末恋華
章名:読切

話名:恋華@藤堂 - お守り


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.5.1
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:289 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 壬生寺でぼんやりと座っている藤堂を見つけた。こっそりと近寄って、彼の前からそれを落とす。さすがというか、地面に落ちる前にすくい上げられる。

「お守り」
 池田屋襲撃の傷が癒えていない藤堂のために、不器用な私がつくったお守り。

「大切にしてね」
 吃驚した顔をした後で、彼は顔を歪ませて笑った。

「もちろんだよ」
 怪我しないでなんて言えない。新選組を貴方がどれだけ大切にしているか、その仕事にどれだけ誇りをもっているか知っているから。

 だから、私の祈りが届くように。私の代わりにそばにおいてください。

 お守りは常套手段だけれど、願いの詰まった小さなそれは、きっと想いを届ける架け橋となる。

あとがき

平助君、難しい…。可愛いからこそ、難しい…。
だからこそ、「揺らぎの葉」で出ないわけですよ。
(2006/05/01)