幕末恋華>> 読切>> 恋華@近藤 - いっぱいのしあわせ

書名:幕末恋華
章名:読切

話名:恋華@近藤 - いっぱいのしあわせ


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.5.31
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:501 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 今日は別になんでもない一日だった。

「ただいま~」
「おかえりなさい」
 部屋の前にいた私の隣に近藤さんが座る。ここ最近は白粉の匂いがしない。

「きみ、甘いもの好きだったよね」
「はい」
「今日のお土産はお饅頭だよ~」
「ありがとうございます」
 お土産と称して渡されるいつもの包みには、お饅頭がひとつだけ。

 これはたぶんわざわざ買ってきてくれたもの。嬉しいけど、ひとりで食べるのは気が引ける。

「すっごく美味しかったから、買って来ちゃった」
 すっごく美味しいなら近藤さんだって食べたいはずなのに。

 とりあえず一口を食べると本当に美味しくて、口いっぱいに広がる甘さに幸せを噛みしめる。

 そして、やっぱり一人で食べるのはもったいないと思う。

 半分に割って近藤さんに指しだそうとすると、急に口端にその大きな指が伸びてきて何かを拭い取った。

 それをそのまま口にいれる。

「うん、やっぱりここのが一番美味しい」
 拭い取ったのは口に付いていたお饅頭の中の餡の欠片。気が付いたときには顔が火照っていた。

「こ、近藤さんっ」
 言ってくれれば自分で取ったのにっ

「美味しいでしょ?」
 こくこくと大きく頷く私の頭を近藤さんは嬉しそうに撫でた。

あとがき

甘味=近藤さん。
あーもう何が書きたいんだか。
(2006/05/31)