リーマス・ルーピン>> TeaParty>> Give & Take

書名:リーマス・ルーピン
章名:TeaParty

話名:Give & Take


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.5.16
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:523 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 彼女は大の紅茶好きでした。美味しい紅茶を飲むためならば、どこへでも行きます。美味しい紅茶を飲むためならば、何でもします。

 彼女の特技はケーキ作りでした。

「ええと…ダメですか」
 目の前の彼女の困った微笑を前に、セブルスは大きく息をつく。

「どこで聞いてきたか知らんが、我が輩は紅茶を人に淹れたことなどない」
 よって、彼女が自分の前に現れる理由がわからない。と。

「えー」
 そんなに不満そうに叫ばれても。

「せっかく貴方の好きだっていうケーキ焼いて来たのにー」
 別にケーキは好きではないし、残念でもない。だが、何故彼女のこの顔に気持ちが焦るのか。

「…いったい誰に何を聞いた」
「それは」
 それは?と目で問い返すと、にっこりと微笑む。

「企業秘密」
「…では、ダメだ」
「教えたら淹れてくれるんですか?」
「…そうは言って」
「あ、じゃあ淹れてくれたら教えます」
 いかがですか?と。

 どこかの誰かを彷彿とさせる飄々とした風貌だが、憎めない。

「あっ、ちょっとっ!」
「ついてこい」
 たまには、良かろう。

「あ、いいの?」
 後ろからついてくる足音に久方の心楽しさを感じながら、道を歩いた。

 何故、彼女がこちらにいるのか。疑問に思わないことを、疑問と思いながら。

あとがき

そのうち書き直しそうですけど、お茶会シリーズでセブとの出会い編一部。
魔法界と非魔法界の区別はヒロインにありません。
美味しい紅茶があれば神出鬼没。
(2006/05/16)