いつもよりほんのすこしだけ、贅沢をしよう。
「シーリーウースー」
いつものように木陰で良からぬ相談をしている集団に近づき、目当ての男の前に座り込む。
「あのね、お願いが」
「ダメだ」
聞く前から却下され、意地になる。
「犬が欲しい」
今日だけは我が侭を言ってイイ日。だから固まっている悪友たちに大きく手を振って話してやる。
「日本で、こういう黒くて大きな犬飼っててね」
「抱きつくと、毛並みの感触が気持ちよくてね」
「小さい頃は上に乗って散歩したりしてたのね」
それでね。
「抱き心地のいい犬が欲しいの」
私の言葉に彼の周りの3人の悪友がニヤニヤと笑い顔になる。
「へぇぇぇ」
「いーんじゃない?」
「ばっ、お、おまえら何言って…!」
どうしてシリウスは慌てているんだろう?
「お前も変なことを言うなっ」
慌てたシリウスにズベシッとチョップされた。
ひどい。
今日は私の誕生日なのに…!
目の前には毛並みの綺麗な黒い大きな犬。
「わ…」
私を連れてきたジェームズがにやりと笑う。
「シリウスからのプレゼントだってさ」
要求通りのそれに恐る恐る近づき、そっと手を伸ばせばぺろりと舐められる。
「わぁっ」
「嬉しい?」
「うんっ、うわぁ、うわぁっ」
首に思いっきり抱きつくと犬の方がびくついている。もうそんなことさえも可愛くて仕方がない。
「本当に連れてきてくれるなんてっ」
正直、無茶なお願いとは思っていたのよ。だっていきなり犬が欲しいなんて言って、くれるわけないじゃない。
だけど、目の前のは確かに望んだ通りの犬で。
「名前何がいいかなっ」
「日本で飼っていた犬は何て言うの?」
「みたまんまよ」
短絡的と言われるとそのとおりなんだけど、やっぱりそれがいい。区別は言葉の違いくらい。
「この子は、ブラックがいいわ」
「日本の子の名前の英語版」
「あーもーちょーかわいー!!」
どうして後ろの人たちはおもいっきり吹き出しているのかしら。
どうしてこの犬は少し機嫌が悪そうなのかしら。
どうして、ここに当人のシリウスはいないのかしら?
自分に触れている少女が完全に眠りに落ちたのを感じ、シリウスはその変身を解いた。
「ぅん…」
黒い犬の正体を知らない少女をそっと抱きしめる。
「ったく、無茶なこと言うなよ。俺じゃなきゃ叶えられないだろ」
何も知らない愛しい彼女の寝顔にそっと口づける。
「…リ…ウス…」
夢の中に自分が出てきているらしいという事が嬉しい。
誰よりも自分に祝ってもらいたかったという気持ちが嬉しい。
「誕生日おめでとう」
「一日言うのは遅れたけど、勘弁してくれよ?」
お前が悪いんだからな。
犬が祝いの言葉なんて言えるわけないじゃないか。
「っ」
耳元の髪をかき上げてやると、彼女はかすかに身じろぎした。
自分の誕生日に仕事ばっかりだったことに気が付いて
祝われたくて書いてみた!。続きます(ぇ。
(2006/05/31)
適当ですいません。
誕生日とか誤魔化してるけど関係ありません。
たまにはまったく意味のない馬鹿な話が書きたいんです
(それもどうか)
もうちょっと続きます
(2006/05/31)
何が書きたいのやら。ただ祝ってもらいたかったんです
「ハリーポッターと謎のプリンス」まだ読んでません
噂ではセブルスがいっぱい出るとか
リーマスがいっぱい出るとか
楽しみなんだけど、シリウスいないんですよね
…どーしようかなぁ…
(2006/05/31)
分けること無いよね?
てことで、統合しました。
(2012/10/12)