朝から妙にテンションも高いし、妙だとは思ったんだ。
「なんでこんなに熱があるのに学校に来るんだよ」
「皆勤賞狙ってるからー」
へらへら笑って、保健室のベッドに横になっている姿に呆れて、怒鳴る気力もねぇ。
「ばかやろう。それで余計に具合悪くなってんじゃねぇか」
「ついでに、テニス部のみんなに会いたかったから」
ついでかよ。
「あとは、まぁバネさんの顔も見たかったから」
「なっ」
へらへら笑いながらそのまま幸せそうに寝付いてしまった彼女を前に動揺が抑えきれない。こいつはただの女マネージャーで、明るくて真面目なくせにどこか俺たちに一線引いているようなところもあったけど、そんな素振りなんて全然無くて、そこがまた良いとか思っていたりなんかして。
「…言い逃げは卑怯だぜ…」
赤い顔を押さえ、起きたらなんて言ってやろうかと寝顔を見ながら考えた。