日本から手紙が届いた。こっちは大量の課題でおおわらわだってのに!
「ちょ、聞いてよ~!」
彼らの部屋の扉を開け放ち、つかつかと歩み寄る。
「さっき日本の友達から手紙来たんだけど!」
「ここ、男子寮だよね」
怪訝な顔をしているリーマスを通り過ぎ。
「気にしない気にしない。そんなことより」
「おまえはもうちょっと遠慮しようぜ」
ニヤニヤ笑っているシリウスに手紙を突きつける。
「日本じゃ、ゴールデンウィークだったって」
「あぁ? なんだ、それ」
「休み! 長いときは1週間も続くのよ。今年は4連続だったみたいだけど」
ずるくない!?と詰め寄ると、まあまあと周囲と正面からなだめられた。
「じゃあ、お休みにしちゃえばいいじゃん」
「駄目よ。リリーは監督生なのよ? 怒られるに決まってるじゃない」
休みたいが、親友の怒る姿は見たくない。美人なだけに彼女が怒るととても怖い。
そんな葛藤をしている私にジェームズが何かを差し出した。
「そんなに言うなら、やすませてあげてもいいよ」
休ませて、あげるって。
「何の効果があるのよ?」
課題をやる気のないジェームズと課題がさっさと終わってしまうシリウスはずるい。
人が大量の課題で苦しんでいる間に、また悪戯グッズなんか作って。
「それは飲んでからのお楽しみさ!」
めいっぱいに瞳をキラキラさせているジェームズから身を引く。そんな目で見られたら、余計に飲みたくない。
「お、お邪魔しまし」
扉へとかけよりかけた私の肩を抱くように、シリウスが引き寄せる。
「まあまあ」
「まあまあじゃない! 実験台はいやぁっ」
「死にはしないって」
「絶対にいやぁぁぁっ」
文句を言う相手を間違えた。と必死で逃げ出してから、私は深く反省した。
時期とかホグワーツのイベントとか完全無視です。適当です。
そういえば黄金週間って日本特有かなぁなんて考えて。
最初は文句を言うだけだったのが、いつのまにやら。
この主人公、反省しても繰り返しそうとか考えたのは秘密です。
(2007/05/10)