幕末恋華>> 永倉新八>> (正しい笑顔の作り方) - デート未満(神社)

書名:幕末恋華
章名:永倉新八

話名:(正しい笑顔の作り方) - デート未満(神社)


作:ひまうさ
公開日(更新日):2009.12.8
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:459 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
デフォルト名:長浜/静流
1)

前話「(正しい笑顔の作り方) - デート未満」へ p.1 へ あとがきへ

<< 幕末恋華<< 永倉新八<< (正しい笑顔の作り方) - デート未満(神社)

p.1

 神社の境内で座る私の手に白い息がかかる。包む掌は大きくてがさついているけど、温かい。

「はぁ~」
 その息がかかるたびに、びくりと震える私を永倉さんは面白そうに見ている気がする。

「も、もういいですよ」
「馬鹿、まだ冷たいまんまじゃねェか」
「これぐらい平気、」
 言葉の途中でまた手に息を吹きかけられ、また私は身体を震わせる。

「だいたい、おめェが店に入るのも嫌がるし」
「永倉さんのいうお店って、高そうな場所ばかりじゃないですか」
「そんなことねェって」
「それにーー」
 文句を続けようとして、私は口をつぐんだ。

「それに、なんだ?」
「なんでもありません」
「何急に拗ねてやがる」
「拗ねてませんっ」
ーー綺麗な女の人にちやほやされてる永倉さんを見たくないから、なんて、絶対言えない。

 顔を背けた私をしばらく眺めた後で、永倉さんは堪えきれずに吹きだした。笑いながら、私の頭を撫でて、引き寄せる。なんの予測もしていなかった私は、当然永倉さんの胸に倒れこむ。

「わ」
 永倉さんは揺らぐことなく私を抱きとめ、耳元で囁いた。

「カワイイなぁ、おめェは」

あとがき

拍手更新しないとと思っていたら、なんだかラブラブ(え
(2009/12/08)