幕末恋華>> 永倉新八>> (正しい笑顔の作り方) - デート未満

書名:幕末恋華
章名:永倉新八

話名:(正しい笑顔の作り方) - デート未満


作:ひまうさ
公開日(更新日):2007.8.6
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:593 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
デフォルト名:長浜/静流
1)

前話「偽りの笑顔」へ p.1 へ あとがきへ 次話「(正しい笑顔の作り方) - デート未満(神社)」へ

<< 幕末恋華<< 永倉新八<< (正しい笑顔の作り方) - デート未満

p.1

 お店の常連さんで。新選組の組長さんで。いつも同じ時間に来てくれる人は。

 最近、私が終わる頃に近くを通ります

「今日も巡察の帰りですか」
「おう。オメーも仕事上がりか?」
「はい」
 二人並んで歩くことにはまだ慣れない。あの日以来、彼は私に触れずにいてくれるので、気分的にはとても楽。

 人と関わるのは大変だ。私はとろいから、呆れられたり、イライラされたり、怒られたりされないか、すごく不安。

 だけど、この人はそれでいいと言ってくれる

「今日は何かあったか?」
「えと」
 ゆっくりと話す時間が少しずつ好きになっていく

「団子、食うか?」
「ええと、いりません」
「まんじゅうは?」
「ええと…」
 ゆっくりと考える私の頭に何かを差す。それから、満足そうに眺めているので、手を伸ばしたら鈴の音がした。

 りりり、と可愛らしい音だ。

「やっぱりこれだな」
「え?」
「これがあれば、オメーがどこにいても見つけられるだろ」
 それは、困る。とても、困る。

「い、いただけませんっ」
 取ろうとした手を抑えられ、往来だというのに抱きすくめられて、小さく囁かれた。

「何かあったら、絶対に呼べ」
「俺が絶対に助けてやるから」
 とても困った私を見下ろして、永倉さんも困っていた。

「何か、あったら?」
 問い返すと、少し驚いたように目を見開いて。やっぱり困ったように笑った。

「何もなくてもいいぜ」
 そういって、ぎゅううと強く私を抱きしめた。

あとがき

「正しい笑顔の作り方」その後とか。
永倉さんって本命には弱そう。
でも、このヒロインも押しが弱いんで、
なかなか話が進まない。
永倉さん、可哀相…(ォィ。


久しぶりに恋華拍手。
ハリポタ多いなぁってことで。
(2007/08/06)