読切(二次)>> ビタX>> RingRingRing - 起きるまで待って

書名:読切(二次)
章名:ビタX

話名:RingRingRing - 起きるまで待って


作:ひまうさ
公開日(更新日):2009.12.4
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:732 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
デフォルト名://タクト
1)

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p.1

 夢を見ている。温かで大きな手の中で、ゴロゴロと喉を鳴らすアタシ。大好きな人の手の中で、気持ちよく眠るアタシ。

「君、警戒心ないねー」
 優しい声に呼ばれて、アタシはゆっくりと目を開ける。目の前には人間の肌と同じ色の壁がある。

「んー……?」
 前足で目元を擦ると掴んでそれを止められ、アタシはパチパチと瞬きした。目の前には、見たことのないニンゲンがいる。

「おはよう、トラちゃん」
 優しい顔で笑うその人は青っぽい髪で片目を隠した、黒い目のニンゲンの男の人だ。見たことないと思ったけど、なんだか見たことがある気がする。

「んー……?」
 あるんだけど、ないような気もする。そもそもこんな笑い方してたかな。

 首を傾げるアタシの頭をニンゲンがゆっくりと撫でる。毛を漉く手つきが柔らかで優しくて、アタシは開いたばかりの瞼が再び重くなってゆく。

「寝る?」
「んぅー……」
 眠いけれど、誰なのかを思い出す。えーとえーとと繰り返しながら、考えて、最後にやっとわかった。

「タクト」
 ニンゲンーータクトは少し意外そうにアタシを見てる。隣の温もりに手を伸ばし、アタシは身体を寄せた。

 確か昨日の夜にネコ集会に出て、帰りにタクトに会ったんだ。それで、撫でてくれた手が優しくて、撫でてもらってるうちに眠くなって。

「タクトのたんじょーび」
 そう、誕生日なんだってタクトが言ってて、じゃあお祝いしてあげるってアタシが言って、それからどうしたんだっけ。撫でる手の心地よさにうっとりとして、アタシは明るい闇へと堕ちてゆく。

 起きたら、起きたらお祝いしよう。

「おめ、で、とー……」
 お祝いだけでもと呟きながら、アタシは眠さに負けて眠ってしまった。

 起きたらね、お祝いしてあげるから、アタシが起きるまで待っててね。

あとがき

sweetampoule.sakura.ne.jp/ \\\\\\\\\\\\\\\">Kateさんとこのタクト生誕祝い創作。
もしかすると、私この人好きかもしれない。
タクトさん?Kateさん?どっちもかな!(え


とかこっそり呟いてみる←
まあね、想うだけなら自由だよね。