1#囚われの舞姫、外界へ出る
まるい、まあるい月が見える。闇がゆったりと私に寄り添ってくる。
「小太郎」
私が呼ぶと、部屋の中に人影がひとつ現れた。部屋と言っても、調度一つ無く、出入口は屈まなければ通り抜けられない不便な部屋だけれど。畳敷きなのがせめてもの情けなのか。いや、一般的な茶室はこうだったような気がする。だれだ、こんな不便な部屋を考えた奴は。
その私の前に現れた男は目元まで隠れる黒い兜を被った、忍装束の黒い影のような男なのだけれど。一応、ここに私を囚えた男に仕えている……ことになっているらしい。
らしいというのは、それを風の噂が教えてくれるからだ。この眼の前の風魔小太郎という男を金で雇っている男がいると。その名を、松永久秀と言うと。
「そろそろ、ここから出たほうがいいかなぁ」
小太郎からの返事はないが、気にはしない。もともと無口な男だが、ここに囚われてから私は彼の声の一切を聞かなくなったように思う。
「本当に面倒なんだけどさー」
綺麗に着付けられた紅の舞装束だが、私は存在にそれらを脱ぎ捨てる。身軽な襦袢姿になってから、畳を一枚剥がし、その下にかくしておいた男物の藍色の着流しを着る。そこまでして準備をした私に、小太郎が刀を一振り差し出した。受け取って、鞘から刀身を抜いて中身を確認する。
「無名の刀だが、卿ならば使いこなせよう」
「……餞別なんて、どういう風の吹き回しよ、久秀」
振り返ると、いつのまにそこにいたのか、髪の一部だけ白い壮年の男性が部屋の中にいる。どうでもいいが、三人も入ると流石に狭い。
「何、やっと卿が鎮魂の舞を見せてくれるつもりになったというのでね」
その言葉に私は眉を潜めた。
この松永久秀という男が私を攫った理由が、私の一族に一子相伝で伝わる珍しい舞を見たいがためということ。
「誰が見せるって言ったか。それに、私の舞にそんな力はないよ」
だが、私はそれを教わっていない。教わる前に、一族は流行り病で死に絶えたのだ。私はただ一度儀式を盗み見たことがある程度。それを久秀も知っているはずなのに、人の話を聞かない男は部屋の隅に座り、徐に茶を淹れ始める。
「一杯だけ飲んでいくかね」
「作法なんて知らないんだけど」
「構わぬよ」
私は座り、松永が淹れている間に髪を高く結い上げる。が、なかなか上手くいかない。見かねた小太郎が手伝ってくれて、ようやく髪を纏め終えた私の前に、淹れ終えたばかりの茶が置かれる。
私はその器を両手で持ち上げて、そっと口をつける。
「苦い」
「卿は相変わらず、警戒もなにもないな」
そうだろうか、と小太郎をちらりと横目で見るが、その表情を窺いみることはできない。
「彼もつれてゆくのかね」
「金も払えない主に付いてくることはないからね、小太郎」
私が小太郎を見ずにいうと、困惑した空気だけが返ってきたような気がする。
主、と呼べるのかどうかはわからない。なにしろ小太郎は私が舞姫を継ぐ前から、ここに囚われる前からの知己なのだ。
「ふっ、なにやら不満そうだが」
「気にしないでください」
さてと、と私は立ち上がり、帯刀する。それから、久秀に深々と頭を下げる。
「何の真似かね」
「一年間お世話になりました」
律儀だなと返される間もなく、私は自然に小太郎へ向かって手を伸ばしていた。小太郎も自然と私を抱え上げる。
「それでは、ちょっとだけ小太郎をお借りしますね」
「ああ、……元気で」
「久秀も」
互いに短い挨拶を交わして直ぐ、私はそれまでの暗い室内から一瞬にして外へと運びだされていた。久々に見る空はいくつもの星が瞬き、眩い光を放つ望月に私は目を細める。
「そうだね、京の外れにでも置いていってもらおうかな」
小太郎は口答えせず、風が耳元を通りぬけ、私はすぐに何も無い道の真中に下ろされた。山道のようで、月も星も良く見える。私を下ろして直ぐ、小太郎が道を指す。
「あっちが京か。ありがとう、小太郎」
微笑んで礼を言ったが、小太郎はその場を動く気配を見せない。本当に行くのか、とでも問われているようだ。
「ああ、気付かなかった。金は後で稼いで払うから、心配しないように。……え、違う?」
首を振られ、私は思案する。だが、まるで言いたいことがわからない。
困惑する私の両肩に小太郎の手がかかり、まっすぐに見下ろされる。その瞳は兜の下に隠れて見えないけれど。口元が、かすかに動く。
「ーーーー」
私は恥ずかしくなって、でも真っ直ぐにその顔を見つめ返し。
「小太郎」
かすかに潤んだ私の目元を指でぬぐい、風が吹くようにその姿は掻き消えた。
「……さよなら、小太郎」
一度目を閉じ、それから私は真っ直ぐに前を向いて歩き出す。一度も振り返らずに、まっすぐに。
2#放浪の舞姫、祭りで出会う
一歩毎に高鳴る胸を抑え、私は期待に膨らむ己を抑えこむ。外へ出たのは里にいた頃と久秀に連れ去られた時以来で、それも本当に数える程度しかない。主に連れだしてくれた小太郎に、私はいたく感謝している。
私はずっと久秀のところで囚われていたーーというより、のんびりと暮らしていたーーため、足元は少し覚束ない。でも、舞の要領で足を運べば、それは水面の上を歩くのと大差ないほど軽やかだ。
小太郎には京へと頼んだけれど、どうすべきかはあまり深く考えて出てきたわけではない。ただ己の血が騒ぐに任せたから、気の向くままに往けばいいぐらいしか計画らしい計画はない。
それでも足を京へと向けたのは、そちらから漂う楽しい空気が私を誘うからだ。
「お祭りなんて、久しぶりだなぁ」
ふらりと歩いて、京へと近づくほどに人通りは増えるが、どの顔も晴れやかで、私も嬉しくなってにやけてしまう。
「ふふふ……ん?」
神輿を担ぐような威勢のよい声に誘われ、私は人混みを摺り抜けるように歩く。そうして、祭を眺めていると、団子屋の娘に声をかけられた。
「お侍様、京は初めてかえ?」
顔に白い白粉を叩き、紅を引いて化粧した姿は、ちょっと見惚れる可愛い系の美人さんだ。その頬が淡く朱に染まるさまは、実に愛らしい。
「はい」
「だったら、うちの特等席で見物しはったらええよ」
さあと誘われ手を引かれ、私は少しだけ困った。祭を観るのはいいけど。
「特等席に行くより、私は一緒に騒ぐほうが好きなんだ」
「でも、」
「後で寄らせてもらうよ、可愛いお嬢ちゃん」
軽く袖を振り、私は彼女から離れつつ、舞扇を取り出す。喧騒に交じる不穏な気配はーー。
「日は大安、くじは大吉ときたもんだ。へっ……あらよっ! さあて、運試しといくかい?」
一際大きな喧騒の中に交じる威勢の良い声に、お、と私は目を見張る。目の前を流れるのは季節はずれの桜吹雪。
(ふむ、婆娑羅者が混じっているか)
婆娑羅者ーー傾奇者ともいうが、私が言うのはいわゆる異能者のことだ。その技に天地の理りを加えた独自の武器を扱う者たちがいると、私は里の姉たちに聞いていた。だから、私たちもそのひとつに違いないのだと言ったのは誰だったか。脳天気な野菊姉だったかもしれない。
(じゃあ、私が少しぐらい暴れてもかまわないよね)
喧騒の中で私は舞扇を開き、ふわりと舞い始める。周囲の人並みを避けているわけではない。だが、その合間に伸ばす手は、誰に触れるでなく、ただふわりと風を掴み、空に舞う。
こうして舞をするのは里がなくなって以来だ。私は久秀のもとで一度も舞わなかったのだが、案外に染み付いた修練というのは消えないものなのだなと実感する。どうすればいいのかは、手が、足が、体のすべてがそれを覚えていて。私は逆らわずに頭のてっぺんから爪先まで、己の体を操るだけだ。
あまりに久しぶり過ぎて、周囲を観るのも忘れて、夢中になって舞っていた私は、結局終わりまで気が付かなかったのだが。終わった途端に迎えられた歓声に、目を丸くして、それから笑ってしまった。心地良い疲れに体が揺らぎ、私にはもう立っている力もない。起きていることさえも、難しい。
「っ、おい、アンタ!!」
鮮やかな色と空気に包まれた気がして、私はほうと息を吐く。彼の身のうちにある桜の薫りは、里の春を思い出す。
「……んふー」
姉様、葉桜はどうやら見つけたみたいです。
闇からゆっくりと意識が浮上し、私はやけに静かで、やけに居心地の良い空気に促されながら目を開けた。視界にまず入ったのは、小さな小さな仔猿。
「……やあ、はじめまして。きみの名前はなんていうの?」
仔猿は小さく啼きながら私を離れていく。彼を目で追いつつ、起き上がると、私の上から赤い布が落ちた。
「もう平気かい?」
仔猿が向かったのは鮮やかという以上に派手という形容が似合う大男に見える。ざんばらで切りそろえているわけもない長髪を高く結い上げ、赤と白というお目出度い色の紐で括り、その上鳥の羽まで差している。ひきしまった立派な体躯に赤地に白の房飾り付きの変わった着物を着て、赤い股引を履いて。
「こいつは夢吉ってんだ」
「ああ、あんたの友達だったのか。夢吉くん、私は葉桜というんだ。私とも友人になってもらえるかい?」
夢吉は男と私を交互に見た後で、彼が頷いてから、私の前にやってきた。そうして丁寧に頭を下げて、手を差し出してきて。
(うわ、可愛いーっ)
ドキドキと私が胸を高鳴らせながら指先を伸ばして手を差し出すと、夢吉はとととと私の腕を登って、私の顔に口吻た。やばい、可愛すぎる。
「俺ァ、慶次。前田慶次ってんだ」
目の前の男の自己紹介に、私はちらりと目線を送ってから、すぐに夢吉に指を差し出して。小さな手が縋り付いてくる。
「きみの友人は慶次くんと言うんだね。ずいぶんと人が良いようだ」
「……そりゃあ、どういう意味だい?」
怪訝というより、真面目に聞き返した慶次を、私は今度こそ真っ直ぐに見つめた。
「言葉通りにとってくれて構わないよ、慶次くん」
どこか困惑した様子の慶次から、私はまた夢吉に視線を移すと、こちらも愛らしく首を傾げる。
「男の姿をしているとはいえ、すぐに私が女と知れたんだ。二人きりで部屋にいて、私が起きても何もしてこないなんて、特殊な趣味か人がいいかの二択じゃないか」
はははと笑うと、夢吉はなぜか私の頭に乗ってきた。そして、慶次に何かを訴えている。
それに対して慶次はというと、苦笑いを浮かべていて。よく見ればかなりの顔も造形も良いし、かなりの色男。
「或いは女に困ってないだけってことかな」
「アンタ、はっきり言うなァ。俺ァ、そういうの嫌いじゃないぜ」
「そりゃどーも」
私は大きく開けた口を申し訳程度に片手で抑えながらあくびをする。
「で?」
「ん?」
「ここって、どれだけ休んでていいの」
「ああ、泊まることもできるぜ」
慶次の答えを聞いて、私はもう一度布団に寝転んだ。
「そりゃあ助かる。久しぶりに運動したから、もうつかれて眠いんだぁ。もうちょっと休ませてもらうよー」
「そうかい」
私は目を閉じて、ひらひらと二人に手を振る。
「おやすみ、夢吉、慶次」
眠りに挨拶には優しい二つの返事が返された。
「キキッ」
「おやすみ、葉桜ちゃん」
この二人は私の目が覚めても部屋にいて、そして彼らと私は連れ立って旅をすることになる。それを知らずに潜る微睡みは、とても温かく優しかった。
3#放浪の舞姫、境遇を語る
京で夢吉、慶次と連れ立って旅をするようになって、ひと月。私は南の海にいる。
「わーっ」
暑い日差しと熱い砂、それに足元で跳ねるたくさんの水が寄せては返し、岩に当って飛沫を上げる。到着して程なく私の着衣は水浸しだが、それでも私は波打ち際で足を踏みしめ、バシャバシャと飛沫を上げさせる。
「葉桜ちゃん、ほどほどになー」
「はーい」
旅の最初の頃は、すぐに疲れて眠ってしまっていた私の体も、ひと月でかなり体力がついた。具体的には、一日に二回ぐらいなら舞っても倒れない程度にはなった。
ここに着くまで、私のせいで休憩は多いし、時には慶次に背負ってもらったりしてかなり迷惑をかけたように思うけれど、慶次が文句をいう事はなかった。それどころか世話をするのが楽しいまで言われた時には、私も返答に困った。なんで慶次はこんなに良い人なんだろう。どういう風な環境で育てばこういう人になるのだろう。
私が波打ち際で遊んでいる時から慶次は、木陰にいる白髪で白い髭のおじいちゃんと何やら話をしていて、夢吉も慶次と一緒にいた。二人はいつも一緒だが、こういう時私は少しだけ寂しい気持ちだ。そう考えたら、私は無性に二人の所へ行きたくなって、彼らの元へ熱い砂の上を踊るように足を滑らせ、移動する。
「はー、楽しかったー」
慶次とその肩にいる夢吉の近くまで来ると、私は二人に向かって両手を広げて飛びついた。
「満足かい?」
慶次も難なく私を受け止め、そうすると夢吉が私の肩までやってきて、濡れた髪にまとわりついてくる。
「うん、ありがとうねー、慶次くん」
慶次に礼を言ってから、私は白髪のおじいちゃんに向かいあい、懐から閉じたままの舞扇を差し出す。それをおじいちゃんが受け取ってから、私は背筋を伸ばして、深く頭を下げた。
「初めまして、島津のおじいちゃん。私は今代の舞姫、葉桜と言います」
私が顔を上げて、笑顔を向けると、島津おじいちゃんはわずかに目を見開き、舞扇を見つめていて。優しい顔で笑って、それを返してくれた。
「……残って、おったのか」
私はその言葉だけで、この人が全部知ってるんだなぁと苦笑してしまう。何も知らない慶次は、首を傾げているみたいだ。
こうして旅をしているけれど、私と慶次は互いのことは何も知らない。互いに聞かなかったから話さなかったに過ぎないし、私は慶次が聞きたいというのなら隠すつもりは最初から無い。
舞姫というのは一種の暗号みたいなもので、知る人ぞ知る日の本の巫女のことだ。決して表舞台に現れることはなく、ひっそりと人の世に澱み溜まる
古くは出雲も末端の神の末姫が初めたとも言われているが、座学の苦手だった私はもうよく覚えていない。資料も全て灰にしてしまったからない。
「姉様達の遺言で里はもうありませんから、私がホントのホントに最後の一人です」
流行病で死に絶えた舞姫の里は、久秀の手で灰にしてもらった。残すなというのが姉様たちの願いだったから、私はそうしたまでだ。それから暫くの間久秀に世話になっていた理由は、流石に心が疲れてしまって、立っていることが出来なかったせいもある。
「葉桜、ちゃん?」
慶次が不安そうな声をかけてくるのに、私は振り返ることをしなかった。そのまま無言で舞扇を広げ、私は舞い始める。
慶次と会った時のような華やぎはないし、手順も何もかもめちゃくちゃな自覚はある。他の舞姫を知っている島津おじいちゃんからすれば、とても拙いことだろう。だけれど、私はこの人に会ったら、見てもらわなければならなかったのだ。これもまた姉様の願いのひとつであるから。
頭のてっぺんから爪先、そして舞扇にまで全神経を行き渡らせて舞うと、海の飛沫が舞に合わせてキラキラと光っている。最初は義務だったけれど、そのうち私は心楽しさが先に立ち、一心不乱に踊っていた。
そうして、最後まで終わって。
「はい、お粗末さまでした」
礼をしてすぐに、やっぱり倒れちゃったんだ。わかってたけど、遊びすぎたらしい。
粗末な小屋のような場所で、私は慶次と最初に会った時とおんなじに寝かされていて、傍にはやっぱり夢吉と慶次がいた。
「葉桜ちゃんは、」
目を開けた私に慶次が何かを言いかけ、やめる。聞きたいことがあるなら聞いていいのに。私には隠すことはひとつもないんだから。
私が辛抱強く待っていると、夢吉が寝ている私の頬に触れてくる。優しさが、流れこんでくる。
「葉桜ちゃんは、いつも全力だなぁ」
そうかなぁと考えたけど、全力だと言うよりも、私は単に力を配分できないだけだと思う。舞い始めると楽しくなってしまって、何もかもを忘れてしまって。
「私は馬鹿だからねぇ」
苦笑いすると、慶次は寂しそうに笑って、私の頭を撫でた。
「……アンタの里ってのは……」
ようやく聞いてきた慶次に、私は小さく笑ってみせ、体を起こす。気遣うように私の背中を支えてくれる慶次を一度見上げ、私はその視線を窓の外へと向けた。
「もう一年ぐらい前の話だよ。流行病でね、私以外いなくなってから、他に広がらないように里を焼いたの。そうすることが最善だからって、姉様たちの命令でさー。無茶言うよねー」
私の中では松永のところで過ごした一年で、もう決着をつけていることだ。少し悲しくもあるが、とっくに感情は区切りをつけている。
「……葉桜ちゃんの親御さんも……?」
私は目を瞬いてから、慶次の苦しげな顔を見上げて、首をかしげる。
「おやごさん?」
「父上とか母上とか」
「ああ、姉様たちみたいな人のことか。うん、いないよー」
今度は慶次が眉をひそめる。そういえば、里の外では随分と風習が違うんだったと、私は思い出す。
「里にはね、女しかいなかったんだ、慶次くん。舞姫はひとりで産み育てる習わしだからね」
子供ができたら、相手には告げずに里に戻る。それは少々異質な風習であったかもしれない。
「
それが当たり前だったから、私は何の疑問も持たなかった。そうしなければならない理由を何となく察することが出来るのは、私自身が舞姫だからだ。
「そうしないと、生まれてくる子の力が強すぎた時に、里の外ではどうしようもないから」
舞姫としての力を持つものが何人もいたから、私たちはこうして生まれ、生きていられるのだと、私は姉様たちにきいている。それでも、舞の力では流行病を治すことはできなかったのだけど。浄化や癒しの舞はあっても、病を治す舞は存在していないのだ。
「葉桜ちゃん……」
慶次が何故か私を腕の中に閉じ込めて、泣きそうな顔で名前を呼んでくる。苦しそうなそれは、慶次が優しさ故に考えてしまうからだろう。でも、私は隠すつもりはなかったから。
「私と旅するの、慶次くんは嫌になった?」
「そんなわけないだろっ」
「あはは、ムリしないで嫌になったらいつでも言ってね。私は構わないからさ」
「そんなこと……っ」
顔を上げた慶次は反論しようとして、それから何故か私の額に唇を寄せてきた。柔らかく湿ったものが額に押し当てられ、すぐに離れる。
「そんなこと、ありえないから」
「慶次くん?」
「絶対、ないから」
友達としては少し行き過ぎた行為に思えるけれど、元々慶次くんは触れ合うことに抵抗のない人だから、私はそれを優しさと受け止める。親が子に与えるものと似ているのだと思った。
「私のことなら気にしないでいいんだよ。慣れてるし」
この一年で、一人でいることにも慣れた。姉様がいないという現実も、しっかりと受け止められた。だから、こうして外へ出られるようになった。だから、もう本当は一人で旅をしてもいいし、きっと私はそうすべきなのだけど。
慶次や夢吉と旅をするのは楽しいから、もしも離れてしまったら、きっと寂しくなるだろう。でも、きっと私はすぐに慣れるはずだ。姉様たちがいないことだって、こうして慣れることが出来たのだから。
「葉桜ちゃんを一人にはしないから」
変なことをいう慶次は、たぶん熱でもあったのだろう。私の肩にきた夢吉が、慶次みたいに私の頬に口付ける。
「ふふっ、くすぐったい、夢吉」
そうして私が笑うと、少し後で慶次は深く深くため息をついていた。
その後も私と慶次と夢吉は、一緒にいた。少しだけ、慶次との距離が近づいた気がするけど、私はそれ以上に夢吉が近くに来てくれることが増えたから、気に留めなかった。
4#放浪の舞姫、恋を知る
私が慶次が前田家の次男坊だと知ったのは、慶次の実家に行った時だ。それまで、私は慶次のことを何も知らなかった。
「慶次が女の子を連れてくるなんて……っ」
そう言って、慶次を殴り飛ばした後で私を歓迎してくれたのは、慶次のお兄さんのお嫁さんだ。とても凛々しい女性で、里の姉様を彷彿とさせる彼女につい私は言ってしまった。
「あ、あの、姉さま……っ!」
しまったどうしようと自分の口から出てしまった言葉に私が慌てていると、彼女は優しい顔で笑って、ぎゅっと私を抱きしめてくれた。
「……可愛い……っ」
「ぇぅえっ!?」
「もう一度言ってくれる?」
「は、はい? あの、ねえさま……」
私がもう一度呼ぶと、彼女はとても嬉しそうに笑ってくれて、そんな風に私は前田の家に招き入れられたんだ。
唯一困ったのが、利家さんもマツ姉様も、私が慶次の彼女と信じて疑わないことだ。祝言だと騒ぐ彼らを宥めるのに疲れた私は、その日は早々に寝てしまったのだ。
それで寝て起きたらやっぱり慶次がそばにいて、月明かりだけに照らされる慶次はやっぱり色男だなぁなんて、私は笑ってしまったんだ。
「何か楽しいことでもあったのかい、葉桜ちゃん」
「慶次くんは色男だなぁって、改めて思ってね」
起き上がりながら言うと、慶次が吹き出した。
「なんだいそりゃあ」
「確かにマツ姉様たちが心配するのもわかるなぁ」
私がクスクスと笑っていると、急に両肩を捕まれた。いつの間にか近づいていた慶次を、私は不思議に思って見上げる。やけに真剣な表情ではあるが。
「じゃあ、いっそのことトシやマツ姉ちゃんが言うように、葉桜ちゃんが俺の嫁になるかい?」
慶次の珍しい冗談に、私は思わず吹き出してしまった。
「あはははは、ありえないっしょっ」
「はっきりいうねぇ」
それに対して、さほど残念そうでなく慶次も笑う。
「ねえ夢吉、ありえないよねぇ?」
「夢吉なら別の部屋で寝てるぜ」
「あら、珍しい……」
急に慶次が私の顎を掴んで、顔を寄せて囁く。
「もし俺が本気なら、葉桜ちゃんはどうする?」
「慶次くんが、本気? ありえないけど、そうだね……とりあえず逃げるかな」
「ふーん?」
あれ、なんで慶次笑ってるのに、目が笑ってないの。
「慶次くん?」
背筋を冷たいものが滑り落ちた気がするけれど、私はそれを隠して笑う。
「逃さないって言ったら、どうする」
「えーと……」
慶次の様子がおかしい、と私は視線を彷徨わせ、とりあえずの答えを用意する。
「急に何言うの、慶次くん。私と慶次くんはただの旅仲間でしょ。そんなことあるわけないじゃない」
「そうかい?」
「そうだよっ」
私が急いで言うと、慶次は吹き出すように笑い出して、私から手を離した。なんだ、やっぱりからかわれてただけか。
(ちょっと残念。ーー残念?)
自分で考えながら、私は首をひねる。慶次は旅仲間だ。そのはずだ。なのに、本気じゃなくて残念になるっておかしいだろう。おかしいでしょう。
「おかしいよね?」
「なにが?」
「うん、おかしい。慶次くんは慶次くんなんだから」
「葉桜ちゃん?」
慶次が私を見る。それは何気ない普通の動作なのに。
(な、なに、これ)
ドクドクと自分の心臓が脈打ち、顔中に熱が集まってくる。慶次くんは慶次くんだ、そのはずだ。なのに、なんで。
(なんで、こんなに顔が熱いの)
もしかして、風邪でも引いたのか、それとも知恵熱だろうか。どちらにしても、すぐにここを立つわけでもないし。
「……も、もうそろそろ寝ようか、慶次くん」
「あー……そう、だな」
妙に歯切れの悪い慶次に私が首を傾げると、彼は首のあたりに手をやり、言いにくそうに口を開き、目を泳がせる。
「あの、な、葉桜ちゃん」
「何」
「怒らないでほしいんだけど」
「うん?」
「トシとマツ姉ちゃん、誤解したまんまでさ」
慶次にあの二人を説得できるとは思えないしと、私は頷く。
「それで?」
「……俺もここで寝ろって」
「へー……は?」
今何か妙な言葉が聞こえた気がする。気のせいだろうか。うん、気のせいだろう。きっと夢に違いない。
「そろそろ寝ようか、慶次くん」
だけど、私がもう一度言うと、慶次はごろりと隣の床に横になってしまった。
「あの、慶次くん?」
「明日にはちゃんと説得するし、俺もちょっと葉桜が心配だし」
「いやいやいや冷静になろう、慶次くん。なんで自分のお家で布団もなく床で寝るの」
「だから、トシとマツ姉ちゃんが」
「じゃなくて! 自分の部屋とかないのっ?」
「……ないな」
慶次からの信じられない発言に私は目を丸くして、それから必死に頭をフル回転させた。慶次は私を女と見てないし、安全は安全だ。問題は、なぜか動悸の激しい私の心臓だけで、このまま一緒にいたら、今にも死にそうだってことだ。
だけど、ここは慶次の家で、慶次はここで寝るって決めて寝転がってて、布団は私の寝ている一組で。
(……え、えーい、女は度胸っ)
里で姉様に教わった言葉を繰り返し、私は思い切って寝ている慶次に声をかけた。
「慶次くん、寒いでしょ。こっち来なよ」
「………」
「慶次くんってば」
返事はないから寝てしまっているのだろうか。そっと近づいて触れると、慶次の体がびくりと震えた。
「……予想しないではなかったけど、葉桜ちゃんはもうちょっと警戒しようか」
ゆっくりとこちらを向く慶次は、困った様子で笑っている。
「俺が悪いやつなら、食われちゃってるよ?」
「慶次くんは悪い人じゃないよ」
「そうなるかもしれない」
起き上がった慶次が私の顎を手に取り、顔を近づけてくる。え、え、と動揺しつつも私はその顔から目をそらさずにじっと見つめた。ドキドキと胸は高なるけど、さっきよりも顔は熱いけど。
「……葉桜ちゃん」
「……慶次くん」
先に私は目をそらし、慶次に背を向けて寝転がる。
「い、いっとくけど、今日だけだから! そんなところで寝て風邪でも引かれたら困るからっ」
「……葉桜ちゃん、だから……」
慶次を振り返った私はどんな顔をしていたのか、自分でもよくわからない。ただ、なんでか泣きそうで。
「一緒に、寝よ?」
それを見た慶次はなんでか固まって、それから舌打ちしながら近づいてきて、私の隣に寝転んだ。
一瞬触れた慶次の体温に、私の心臓は爆発しそうだ。
「い、いっとくけど、俺だって男なんだからな。何か間違いがあってもしらないからなっ」
言い訳するように言って、近くにあった温もりが離れた。でも、さっきよりも近いから隣で寝ているのはわかる。
そういえば、掛布は私の分だけだ。私は寝返りを打って、慶次の大きな体に掛布をかけ、自分もそれに入って、大きな背中にぴとりとくっつく。ああ、さっきよりも心臓が落ち着いてきた。
(慶次くんの背中、おっきくて、暖かい)
額をつけると、慶次を今までで一番近く感じて、幸せな気持ちになる。
「おやすみ、慶次くん」
そのまま私は慶次のおやすみを聞く前に眠りに落ちていた。
5#放浪の舞姫、恋を失う
慶次にくっついて眠ったからか、私の夢に慶次が出てきた。慶次は、みたこともない甘く蕩ける顔でネネって女の子を見つめていて、聞いたこともない甘く優しい声で彼女を呼んでいて。
(ああ、この人、慶次くんの好きな人だ)
ぱちりと目を覚ました私は起き上がって、ぐしぐしと涙を拭う。舞姫の夢は時にトクベツで、それは相手の過去も未来も映しだすことがある。自覚した途端にこんな夢を見るなんて。これが過去でも未来でも、夢でも現実でも、慶次の心にネネがいるというのなら。
(失恋、確定だね)
まだ眠っている慶次の頭をそっと撫でるけど、起きる気配はない。私は慶次の米神にそっと唇を寄せて、直ぐに離れた。
「小太郎、いる?」
私が囁くほどに小さな声で呼ぶと、音もなく影から見慣れた姿が現れた。私が両手を伸ばすと、小太郎は私を抱え上げる。
「久秀の所へ、連れて行って」
私がいうと目で本当にいいのか尋ねてくるけれど、私は首を振った。
「自覚しちゃったし、もう一緒にいられないよ」
「ああ、勝手に消えたらマツ姉様心配するね。じゃあ、これを置いていこうか」
私は小太郎の腕の中で舞扇を取り出し、携帯していた筆でそこに別れの言葉を書き込んだ。
(ごめんね、慶次くん)
そうして、私は前田家を後にしたんだ。
ずっと小太郎の腕の中で泣くこともできなくて。それなのに、なんで、なのかな。
「……久秀……っ」
連れてこられた瓦礫の前で、私は伏して泣くより他なかった。そこは一年世話になった場所で、見間違えようもない松永の城で、他に行く宛もない私にはもう絶望しか残らなくて。
「……は、ははは……っ、小太郎、どうしよう、私……っ」
「私、本当に一人ぼっちになっちゃった……」
慶次を頼ることはもうできない。さっき失恋したばかりなんだ。だけど、里もなく、かくまってくれる久秀ももういない。
「ぁぁぁぁぁぁああぁああああああああああっ」
声をあげてなく私を咎めるものはなく、私はただただ泣き続けて、そのまま疲れて眠ってしまったんだ。
私を起こしたのは、小太郎でも、まして慶次でもなく、森に溶け込む迷彩服を来て、額に鉢金をつけ、顔にペイントした胡散臭い男だった。
何もかもを失った私にはどうでもよくて、腫れた目元を擦ろうとして、案外に腫れてないことに気がつく。どうやら、小太郎が冷やしてくれたようだ。私の寝ていた辺りに落ちているほんの少し濡れた黒い布を、私は拾い上げる。
そのあとで私が迷彩男を見ると、顔の筋肉だけでにこりと笑うから、もう背筋が寒くなった。
「ここで何してんの、お嬢ちゃん」
誰だか知らないが、今は私は誰かに関わりたくない。そんなことより、と懐から舞扇を取り出そうとして気がつく。慶次にあげてきたんだった。
(なくても、勘弁してよね、久秀)
何も持たずに、私は舞い始める。久秀が生前見たがっていた、いわゆる鎮魂の舞に近いものではあるが、我流が混じっているから満足してくれるかはわからない。道具も足りない。だけど、礼ができるとしたら、私には舞しかないから。
一心不乱という形容が見合うほどに、周囲も顧みず、体力の許す限り舞い続ける間は何もかもを忘れていられた。
舞終えてから、私はようやく迷彩男に気がつく。
「いーもん、みつけちゃったな」
そういって口の端だけでにやりと笑う迷彩男を目に収めながら、私は膝をつき、倒れる。もう指一本動かせない。その私を上から覗き込む迷彩男。
「ね、アンタ、うちに来ない?」
うちがどこか知らないけれど、もう行く宛もない身の上だ。自棄になったまま私は彼にいーよと答えていた。
6#放浪の舞姫、逃亡する
それから連れてこられたのは、どこかの立派な城みたいだけど、私はさほど興味もなかった。迷彩男は猿飛佐助、そして居城の主である真田幸村に紹介されたのだが。
私には心底どうでもよいことだった。目を閉じ、与えられた客間で日を過ごし、幾日過ぎただろうか。
「葉桜ちゃん」
名乗ってもいないのに、私の名を呼ぶ佐助を無視するのはいつものことで。だけど、唐突に破られた静寂に、私は動揺した。
「葉桜っ!」
懐かしい、と思えるほどの時間離れていただろうか。別れたのはつい昨日のようにもずっと昔のようにも思えるのに、私は背後から聞こえた慶次の声を振り返って確認する勇気がなかった。
「風来坊、なんでここにいるのさ」
「親切な誰かが俺にこんな手紙を寄越したんだよ。葉桜、俺と帰ろう?」
慶次と佐助のやり取りを耳にしながら、私は両手で着物をぎゅうと握り締める。
「……どこに?」
「どこって、トシもマツ姉ちゃんも心配して」
「帰る場所なんて、どこにもないよ。私には、もう何もない」
「葉桜」
「里もない、あいつも、みんな、みんないない……っ、慶次くんだって!」
勢い振り返って目にした慶次は、急いできてくれたのがわかるぐらいに薄汚れて、焦燥していて。少しでも思っていてくれたことだけが、ほんの少し私の心を温めてくれた。
「慶次くんだって、ネネさんのところへ行くんでしょう?」
胸が痛くて、私は両手でぎゅうと心臓の辺りを握り締める。
「もう私のことなんて放っておいて! はやく好きな人のところに行ってあげなよっ」
私がその言葉がどんなに残酷な言葉か、知らなかった。
「葉桜、ネネは……」
「ネネって、あれ? 豊臣の奥の方?」
佐助の呟きに私は目を見開いて佐助を見て、それから慶次を見た。
「え?」
「そうだよ。あと、もうネネは、その、死んでる、から」
すごく苦しげに呟く慶次をみて、私は自分の失言に気づいて口を抑える。
「……じゃ、あ……あの、夢は……」
「夢?」
「私……そんな……」
「葉桜(ちゃん)……?」
後退る私は、縁側との段差に体勢を崩し、座り込む。だけど、冷たい床に触れることはなく、すぐに慶次の大きな腕の中で。
「もしかして、それで俺から逃げた?」
「ぁ……ぅぁ……っ」
久しぶりに目の前で見る私を覗きこむ慶次の目は、あの夢みたいに甘く蕩けているように見えるなんて、これも夢だろうか。
「てっきり意識もされてないと思ってたな」
額に押し当てられる慶次の口吻に、私は体中が熱くなる。
「葉桜、アンタが好きだ」
真っ直ぐに私を見て話す慶次に嘘は見えない。でも、でも、慶次の心にはずっとあの人がいて。ふるふると頭を振る私の目からいくつもの雫が落ちる。
「葉桜」
「嘘、嘘ばっかりっ。慶次くんは今でもネネさんが好きだよ。だから、あんな夢を見る。アレを見た後で、そんな風に言われても私には信じられないよ」
「ネネさんが好きならそれでいい。だけど、私に優しくしないでっ。これ以上、慶次くんを好きにさせないでっ!」
慶次の腕から逃れようとする私を、慶次はさらに強く抱きしめる。
「葉桜」
「やだ、やだ、助けて! 小太郎っ!!」
私が叫んだ瞬間、強く押さえ込んでいた力がなくなり、私は小太郎の腕の中にいた。
「っ、風魔の旦那!?」
「葉桜を返せっっ」
私はその首にすがりつき、小太郎に命令する。一度もしたことのない、命令を。
「 小太郎、私をここから逃して! 慶次くんのいない所へ連れて行ってっっっ!!」
風が私と小太郎を包み込み、そして直ぐに佐助の声も慶次の声も聞こえなくなった。
私はどこかの大きな松の木が一本だけ生えた、丘の上に連れてこられた。そこに着くまで、子供みたいに小太郎にすがりついて泣いていたから、どこをどうやってきたのかわからない。でも、ここに慶次がいないことだけはわかった。
「葉桜」
低い低い小太郎の声は久しぶりに聞く。耳に、心地よく、傷ついた私の心に深く染みる。
「……いいのか?」
こくりと頷く私を、小太郎は強く抱きしめてくれる。
「……あいつが、葉桜の?」
「そんなはず、ないよ。だって、慶次くんにはもう……」
最初はそうだと思った。だけど、自覚してあの夢を見て、無理だと思ったのだ。あんなふうに思われたいけれど、あんなふうに思ってくれるはずない。
「……慶次くんに私はもったいない、でしょ?」
冗談めかして腕の中で笑う私の目元に、小太郎が涙を舐めとるように吸い付いてくる。小太郎のこれは昔からの拙い愛情表現で、私はそこに兄弟みたいな感情しか浮かんでこない。唇まで降りてくる前に、私は小太郎のそれを両手で留める。
「私、これからどうしたらいいかなぁ。慶次くんに簡単に捕まらない場所って、どこか知ってる?」
少し考え込んだ後で、小太郎はその場所まで私を連れて行ってくれた。だけど、どこかで私は期待していたんだ。慶次はきっと私を見つけてくれるって。
1#囚われの舞姫、外界へ出る
思うままに書いたら、予想もしない方向に。
え、これ、誰狙いだ。
(2012/03/10)
慶次狙いで書いてみたらサクサク出来たので公開。
でも、これだけで完結しててもいいかもしれない?
(2012/11/9)
公開
(2012/11/10)
2#放浪の舞姫、京の祭りで出会う
続きを書いてみた。
筆頭も右目も書いたからなー。
武田はハードル高いし、アニキは別ヒロインで書いてるし。
そんなわけで、慶次にしたら案外しっくりきた。
このヒロインの性格がある意味風船みたいだからなぁ~。
筆頭や右目と似た設定のヒロインですが、里が亡くなった理由が違います。
あっちは襲撃。こっちは病死。本当にそうかどうかはともかく。
(2012/11/07)
思おうままに書いてたら、最後まで書けてしまった。
これ、詳細プロット?
でも詳しく書く気があまりないんだが。
でも、萌を詰め込みすぎた気はする。
公開しようかどうしようか、迷う所。
(2012/11/08)
一気に書けてしまったので、ちょこちょこ公開けってー。
ざっくりだけど、夢だし二次だしまーいっかー(え
需要なしの自己満だしね。
(2012/11/09)
公開
(2012/11/12)
3#放浪の舞姫、境遇を語る
いきなり飛びました。
間はふつうの友達関係だし、あんまり進展させてもねぇ。
というわけで、進展のあった辺りにしたというのは建前。
島津のじいちゃん、結構好きです。
(2012/11/09)
もうちょっと掘り下げてみた。
長くなった。
(2012/11/12)
公開
(2012/11/14)
4#放浪の舞姫、恋を知る
さらに飛びました。←
慶次からと思ってたけど、逆にしてみたら、思いの外良くなった気がします。
この人が好きだーと自覚した瞬間とか、結構好き。
自分でも時々どうしたらいいかわからなくなるんですけど。
こう、じたばたしたくなる(え
(2012/11/09)
公開
(2012/11/16)
5#放浪の舞姫、恋を失う
慶次を書くと外せなくなる人ですよね。
そんなわけで、暴走しました。はい。
作者は今日も通常運転です。はい←
なーんで、うちのヒロインはみんな逃げたがるかなぁ。
追ってきてくれるの前提なあたり、あざといですよね(いうな…
(2012/11/09)
公開
(2012/11/18)
6#放浪の舞姫、逃亡する
幸村どこ行った。
真田の城にいるのに影が薄いのは、幸村が近づいてきてもヒロインが気にもかけないからです。
つか、佐助がしつこいのは何故だ。
なにこのひとこわい(書いたのは私(はわわわ…
(2012/11/9)
公開
(2012/11/20)