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書名:幕末恋風記
章名:ルート改変:山南敬助

話名:慶応二年師走 09章 - 09.3.2#勧誘と請願書(追加)


作:ひまうさ
公開日(更新日):2012.10.25
状態:公開
ページ数:2 頁
文字数:7103 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 5 枚
デフォルト名:榛野/葉桜
1)
篠原「指導者とは」裏

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p.1

「だーかーら、やりませんってば! 本当にしつこいですよ、土方さん!?」
 私が苛つきながら勢い良く土方の部屋の障子を閉めると、近くで小さく吹き出す声が聞こえた。そこにいたのは近藤と伊東で、二人で何故か笑いをこらえている。

「……何がおかしいんですか」
 私が半眼で問いただすと、二人して咳払いで誤魔化して。

「巡察ご苦労様、葉桜君」
「お疲れ様です」
 近藤に私が頭を下げると、隣にいた伊東が目を丸くする。私は別に不自然なことをしたつもりもないのだが、伊東が驚く要素がどこかにあっただろうか。

「トシと何話してたの」
「巡察の報告と、定期的に来るいつものアレです。ったく、私はやらないって言ってるのに、しつっこいんだからっっ」
 私がそういうだけで何のことか近藤がわかったように頷くということは、彼もまた一枚噛んでいるのだろう。

「あの、何のお話ですか?」
 不思議そうな伊東に、私は苦笑しつつ答えた。

「ここの人たちはそろって馬鹿ばかりでね。私みたいな女に隊を任せようとするんですよ。それも、入隊した当初から何度も何度も何度も何度もっ! だいたい私の隊にいれられる何も知らない隊士が可哀想だと思いませんか」
「えー、俺は葉桜君の隊に入りたいけどなぁ」
「冗談やめてください、近藤さん。私は近藤さんを使うようなことだけは、絶対にしたくありませんからねっ」
 近藤は何を恐ろしいことを言い出すのか。私がさらに眉をしかめて近藤を睨みつけていると、伊東からもトンデモない発言が飛び出してきた。

「確かに葉桜さんの実力や能力を考えると、隊を持っていないのは不思議ですね」
「伊東さんまでそういうことを言いますか」
 勘弁して下さいよ、と私は右手を首にやり、明後日を向いてため息をつく。

「女の下について納得できる男なんているもんですか。そんなことをしたら余計な火種が増えますよ。ただでさえ、忙しいのに……」
 土方も巡察が終わって私が疲れている時を狙って、そういうことを言わないでほしいものだ。

「希望者だけを募ったとしても、その隊士は世間から見ても侮られることは必死。そんな隊なんて、あっても邪魔なだけです」
 実際の所、私を慕う隊士がいないわけではないし、彼らに何故と問われることもある。今のように説明しても笑い飛ばして平気だという変人ばかりだが、彼らは世間の厳しさを本当の意味では知らないのだ。

「じゃあ、私は着替えるんで」
 私は近藤の前、つまり土方の隣の部屋の障子を開けた。そこが私が鈴花と共に与えられている部屋だからだ。ちなみに、更に隣が局長室であり、近藤の部屋である。だから、伊東と近藤がここを通ったことに不自然はない。

 ぴしゃりと私が勢いをつけて障子を閉めると、廊下でまた近藤がクスクスと笑う。その近藤に伊東が問いかけ、近藤が答えて。着替えながら聞いていると、何やら私に不利な方向に話が進みそうな気配だ。

「いつまで下らないコトを話しているつもりですかっ」
「お、出てきた出てきた」
「……葉桜、さん……っ?」
 伊東が驚く声を上げたのは、私が珍しく女姿になっていたからだ。といっても、淡青の小袖に瑠璃の羽織を肩にかけ、結いあげていた髪を下ろしただけの簡単なものだ。私に髪を結うほどの腕はない。

「俺がやってあげようか、葉桜君?」
「土方にやってもらうんで、遠慮します」
 私が足早に土方の部屋へ入ると、何故か近藤と伊東までついてくる。

「土方さん、お願いします」
 私は既に鏡台を準備している土方の前に座ると、すぐに土方も私の髪に櫛を疏し始めた。慣れた手つきで丁寧に梳く土方は、実は山崎並みに器用に髪を結うのだ。郷里の姉君に仕込まれたのだとか、言っていたかな。

「……近藤さんは俺に何か用か?」
「葉桜君の変身をみようと思ってね」
「伊東さんは」
「私も同じです」
 物好きな二人は放っておいて、私は鏡台の小さな引き出しから白粉を取り出し、軽く頬に叩いた。そうして化粧をしながら、三人の会話に耳を傾ける。

「葉桜さんが女姿とは、珍しいですね」
「伊東先生は初めて見ますか」
「はい」
「なかなかのものでしょう」
 何故か自慢げに近藤が語っているのが、私には少々擽ったい。

「葉桜には時々この姿で情報収集を頼んでいる。男姿とは別の情報が手に入るからな」
「知っているものはわずかですよ。俺とトシ、烝とー……他に誰かいるかい、葉桜君?」
「さてねー」
 不器用ながらに眉を描き、小指を使って紅を引く。自分的にも濃い化粧は似合わないし、町娘的にもこの程度で良いだろう。

「近藤さん、先ほどの話ですが」
「なんでしたっけ」
「葉桜さんに隊を任せるという」
 伊東はなんで蒸し返すかなーと、私は淡く笑みを浮かべながら鏡越しに二人を見た。この話題は放っておくと、本当に隊を預けられかねない。

「絶対に嫌ですからね」
「……しかしな、葉桜……」
「しかしもなにも、さっきの理由は土方さんにも聞こえているはずです。なんでまたそこまでして」
「できたぞ」
「わたしもです」
 土方に肩を叩かれて、私は振り返った。満足そうな近藤と、それから頬を染める伊東の姿に、私はかすかに首を傾げてみせる。

「紅は俺にやらせてほしかったなぁー」
「イヤですよー、近藤さん、目付きがやらしいしー」
 私が近藤と軽口を叩いていると、土方は私に何か紙の束を押し付けてきた。

「ここまでされちまったら、俺もおまえに言わないわけにはいかねぇだろ」
 そこに書かれてある名前は、すべて私を慕ってくれている隊士ばかりだ。私が目を見開いていると、近藤もなるほどと呟く。

「しばらく収めてた話を蒸し返したのは、今回は請願書(これ)があったからかぁ」
「……あいつら……」
 思わず私が涙ぐむと、土方から手拭いを差し出される。だが、私は受け取らずに、紙束をぐしゃりと握りつぶした。

「馬鹿なことしやがって……っ」
「えっ、葉桜さんっ!?」
「土方さん、これは私が預かります。いーですね?」
「ああ」
「それから、今夜にもあいつら〆とくんで、隊の話は白紙です。いーですよねっ」
 苦笑しつつわかったという土方の言質をとった私は、一度自室の葛籠に請願書の束を仕舞ってから、外へと出た。廊下では伊東が険しい顔をして、私を待っていたようだ。

「葉桜さん」
「なんて顔をしてるんですか、伊東さん」
「先ほどの話ですが」
 何故そこまで伊東が気にかけるのかはわからないが、私は伊東を見つめて苦笑した。

「伊東さんが心配することはありませんよ。単に、話してわかってもらうだけです」
 私がそう言っても、伊東は秀麗な顔の眉間に皺を寄せたままだ。土方も綺麗な顔で皺を寄せたりするが、伊東にはそれがまったく似合わなすぎて、私はつい笑ってしまった。

「なんなら、伊東さんも来ますか? 来るつもりがあるのでしたら、暮六つに壬生寺あたりで待っていてください。あ、山南さんを誘ってもいーですよー」
 じゃあ行って来ます、と私は縁側から庭に降り、裏木戸へと足を向けた。背中に伊東の視線は感じるが、ついてくる様子もないし、何かを言われる様子でもない。

(……伊東さんは天然過ぎて、冗談が通じないなぁ)
 クスクスと笑いながら、私は人気のない往来へ出て、いつものように歩き出すのだった。



p.2

 島原の一室で、ほろ酔いかげんのまま私は隣の部屋の麩を開けた。そこには、伊東と山南の二人だけが膳を前に酒を愉しんでいるようだ。ここに二人を通した時に誰か遊女を頼むかどうか尋ねたのだが、二人共に断られてしまった。だから、ここにはこの二人しかいない。

「伊東さん、山南さん、おまたせしましたぁ」
 目を細めて私が笑うと、山南も伊東も柔らかに笑い返してくれるから、私はますます嬉しくなり、二人の前に膝を揃えて座った。

 先ほどまで私は、私が隊を持つことができるようにと集められた請願書に名を連ねる者たちを集めていた。

「馬鹿だなぁ、お前ら」
 隊士たちとある程度飲み食いし、酒も適度に回ったところで私がしみじみと呟くと、文句が返された。

「馬鹿って何だよ、馬鹿ってっ!」
「そーですよっ、俺らは葉桜先生のために」
「それが馬鹿だっつってんの。せっかくの経歴に泥を塗ることもないだろ。女に従ったとあっちゃ、普通は侮られるのが落ちだ。それをあえてやろうなんてのは、馬鹿でいい」
 今の新選組はそれなりに知名度も人気も上がっている。そこに属しているというだけで、それなりにモテるのは確かだし、近藤や土方らの采配で個々の能力も高い。

 特にここにいる者たちは血気盛んで、やる気も高いから、私が目をかけてきた者だ。今後どこへ行っても、それなりに重用されるのは間違いない。

「葉桜先生を知らずに言う奴らにゃ、言わせときゃいいんスよっ」
「俺らは葉桜先生のためなら、謗りを受けようがかまわねぇ」
 こうして慕ってもらえるのは、私としても嬉しい。だけど、だからこそ、駄目だ。

 私は土方から頂戴した請願書を取り出し、不思議そうな顔をした面々の前に突き出した。

「……葉桜先生?」
 私はそれを、隊士らの目の前でビリビリと細かく引き裂き、ぱっと辺りに散らす。

「っ!」
「何するんでぃっ」
「葉桜、先生……?」
「お前らが良くても、私が良くないんだ。そんな風にさせるために、お前らを育てたわけじゃないんだから」
 一人一人の顔を見回し、それから私は柔らかに笑う。

「皆の気持ちはとても嬉しい。泣きたくなるほど、嬉しく思っているよ。だけどーーどうか、わかってほしい。私は、隊を持つ訳にはいかないんだ」
 私が膝を揃えて頭を下げると、彼らはすっかりと押し黙ってしまった。

「……理由は?」
「俺らのためとかじゃ、納得できねーぞ」
 顔を上げると、真剣な目が私を囲んでいる。

「理由は、私が女だから」
「っ」
「それから、そうすることが新選組にとっての最善だからだ」
「っ、なんで……っ」
「私はこの新選組を信じているし、愛している。近藤さんと土方さんが守る新選組を、愛しているんだ」
 口にすると、それは私の中で暖かく広がり、自然と口元に穏やかな笑みが浮かんだ。

「ある事情で、私はこれから新選組がどうなるか、何があるかを知っている。話すことはできないが、そのためにも私はまだ隊を預かるわけにはいかないんだ」
 何人が私の言葉の真意に気がついただろうか。だが、私が不思議を織り交ぜて隠したそれに、誰かが疑問を口にすることはなかった。

「また、葉桜君に隊の話が来ていたのか」
 私が山南と伊東の前に座った途端に、山南が小さく笑った。

「今回は請願書までつけてきたんで、困りましたよ」
 私も苦笑しつつ、二人に酌をする。

「山南さんもご存知なのですか」
「まあ、一部有名な話だからねぇ」
「そうでしたっけ」
 クスクスと私が苦笑すると、山南は頬を緩ませた。

「だが、どうやら以前とは事情が変わってきたようだね」
「まだということは、いずれは隊を預かるつもりがあるということですよね、葉桜さん?」
 二人共鋭いなぁと、私は軽く笑う。

「そうならないのが一番ではあるのですが、おそらくは避けられないでしょうね」
 しばらく沖田と会ってはいないが、会っていないからといって彼の病状が良くなるわけでもない。不本意だけれど、おそらくは今一番隊副長助勤である私に代理の話が回ってくることは必死だ。

 哀しいけれど、おそらく避けられないと、私は踏んでいる。

「……やりたくはないんですよ、本当に。本来なら、私はここにいるべき人間ではないですし……」
 沖田が快癒してくれるならともかく、あれがそう言ったことの望めない病と知ってしまっている私には、ひどく辛い。酒に任せて笑う私だったが、流石に山南の目が険しくなっていることに気がついた。この人は、私の機微に敏感すぎるのだ。

「困りましたねぇ」
「葉桜君」
「本当に、困りました。山南さんの目は誤魔化せないみたいですし」
 くすりと笑い、私は立ち上がった。

「今日はもうお開きにいたしましょうか。伊東さん、泊まっていかれますか、帰りますか?」
「葉桜さんは」
「私は少し山南さんと話をしなければならないようなので、お送りできません。泊まるのでしたら、奢りますよ」
 努めて私が冗談めかすと、伊東は私の申し出を断り、一人で島原を後にした。残った私は、窓からその後姿を見送る。

「葉桜君」
 山南が私に何を言いたいのか、おおよその検討はつく。だからこそ、私ははぐらかすようにそれを口にしていた。

「ーー沖田がね、会ってくれないんですよ。どうも私は避けられていましてね。嫌われちゃったかなぁ」
 島原の界隈は夜も更けて、さらに賑やかになっている。そろそろと帰宅するもの、それを捕まえようとする客引きや遊女。昼とは違った、ここの退廃的な空気に、私にはホッとする。

 ふわりと、包み込むように後ろから抱きしめられる。もちろん、この部屋には私と山南の二人しかいないのだから、山南だろう。それを示す山南の香を胸いっぱいに吸い込み、私はゆるりと微笑んだ。

「ずっと隊の話を断ってきたのは、沖田君に何が起こるかを知っていたからなのかい?」
 ほら、やっぱり気がついている。敏い山南だから、本当にちょっとしたことで知れてしまうとわかっていたのに、つい伊東に誘うように私が仕向けてしまった。

「山南さんとは別な意味で、避けられないことですから」
 誰かに私は弱音を吐きたかったのだろうか。新選組のことを知っていて、私の事情を知っていて、信頼出来る誰かに、愚痴を零したかったのだろうか。

 いつまでたっても、心の弱い、情けない自分が嫌になる。

「伊東さんは優しすぎるんです。私があいつらを〆るって言ったら、自分とは関係のないはずの隊士たちの心配までしてるんですよ。つくづく、損な性分ですよねぇ」
「もっと非情な人なら、こんなにも私が悩む必要なんてないんですけど。なかなかうまくは行かないものです」
「伊東さんを支持する人には悪いけれど、あの人には指導者として大切な部分が欠けているんです。だから、私はーー」
 そこまで話してから、私は口を噤んだ。

 だから、じゃない。私は最初から選んでここに来ていて、その道には今も一点の曇もないはずだ。そうでなければならないのだから。

「お酒、追加しましょうか」
「葉桜君」
 尚も誤魔化そうとする私の耳元で、山南が柔らかく囁く。

「私の前で無理をすることはないよ。私には君の話を聞いてあげるぐらいしかできないけれど、それだけでも少しは気が晴れるんじゃないかな?」
 すっかり見透かされているらしい山南の態度に、私は一度目を閉じてから、深く長く息を吐きだした。それから、窓の外ーー今度は月の傾く夜空を見上げる。灯りで半分も見えていないだろうが、確かに瞬く星を目に止めながら、私は自分の頬を涙が一筋こぼれ落ちたのを感じた。

「沖田は近く長い休養に入ります。その穴を私が、一番隊の副長助勤を務めている私が埋めることになるのは、必然ですよね」
「病を癒す力を持たないのが、私は悔しい。役に立たない神気がいくら強くったって、私はいつも見ていることしかできない。この手で斬ることでしか、救えない。それが、悔しい」
「私なんかどうなったっていい。替わることができるというなら、いくらだってこの身を犠牲にしたって、構わない。でも、いつだって、世界は私に非情な選択ばかりを迫ってくる」
「この目に映るすべてを救いたいなんて、傲慢だってわかってる。それでも、守りたいと何故願ってはいけないんだ。救いたいと何故願ってはいけないんだ……っ」
 喧騒の中に、私の小さな呟きは掻き消えてゆくけれど、私を抱きしめるほど近くにいる山南にはすべて聞こえているだろう。だけど、一度言い始めたら、止められなかった。言葉遣いが変わっていることにさえ気が付かず、私は夜空を見たまま続けた。

「京に、新選組に来たことを後悔したことはない。だが、私は時々考えるんだ。あの日道場で昼寝をしていなければ、私はあの子に会わずに済んだかもしれない。こんなに大切な人が増えることなんてなかったもしれない。そう、考えずにはいられんのだ」
「ずっと、父様の思い出だけを抱えて生きていければ、私はそれで良かった。あいつの変わり果てた姿なんて見たくなかったっ」
「だけど、きっと彼女に会わなくとも、私はきっとこの京に来ることになった。きっと、新選組へと入ることになった。会わずにいる自分の姿を、もう想像もできないんだ」
 ゆっくりと私が山南に視線を移すと、不安そうに私を見ている。心配色の顔に、私は手を伸ばし、その頬に指を這わせ、微笑んだ。

「……心配ばかりさせて、ごめんなさい。貴方の道を断ったことを後悔しない日はないよ。だけど、それ以上に生きていてくれることを喜ばない日はないよ」
 山南はそこにいてくれるだけで、私に安心をくれる。優しさをくれる人だ。

「葉桜君」
「あと一年しかないんです」
「え?」
 聞き返す山南には答えず、私はその腕を抜けだして、残っている徳利に直接口をつけて、一気に飲み干した。一息に飲んでから、手の甲で口を拭って笑う。

「こんなこと本当は言っちゃダメなのに、あいつらと飲んで、私も少し酔ってたかなぁ」
「山南さんもこんな酔っ払いのいうことを真に受けちゃダメですよ?」
 それからにっこりと笑顔を作って山南を見ると、しっかりと頷いてくれた。

「今の話は、私の胸に収めておくよ」
 本当に山南は優しすぎて困るなぁと、今度は仮面ではなく本当の意味での苦笑を私は表面に出してしまって。それをみた山南は少しだけ視線を逸らしてから、もう一度私を見て、わずかに頬を染めて笑ったのだった。



あとがき

……あれ?
指導者云々を入れようと思ったのに、なぜか山南に愚痴る話になってしまった。
ヒロインは子供の自分から巫女として育てられていたため、
興奮すると時々古めかしい言葉というか、少年っぽい言葉になるっていう微妙な設定持ち。
あ、今も変わらないか(笑
(2012/10/25)