15)悪夢
(セブルス視点)
生憎の曇り空。飛行術の時間に姿を消したとは聞いていたけど、それ以上の騒動は起こさずにミオは一日を過ごしているらしく、今日もホグワーツは平和だ。
悪戯仕掛人が大きな動きをしていないということもあって、平和だ。ホッとするのは、大抵標的になっている管理人フィルチやスリザリン寮のセブルスであったが。
「こんなところで寝るな、ミオ」
「ん~セブ~…」
図書室の奥へ本を探しに入ったところで見つけた、見慣れた少女の姿にかすかに唇の端が上がる。 黒い本を手に座り込んだまま本棚に寄りかかり、無防備といえば無防備。だが、どこか固くなって久しい自分の顔の筋肉を動かされるのは、ミオの前でだけだと自覚している。
「風邪を引くぞ」
「うぬ…ぅ」
少し揺すってみたがかすかに煩そうに眉間が寄るのを見て、諦める。こうなるとどこででも彼女は動かない。
自分の着ていたローブを持って、肩が冷えないように掛けてやると、無意識に引き寄せる。動作が小動物らしくて、やはり小さく息を吐き出して笑った。
高い書棚用の脚立を持ってきて、近くにそっと立てる。大きな音を立ててしまうとミオの眠りを妨げてしまいそうだったから。
目的の数冊を持って降り、そのまま一番上に座ったまま、本を開いた。
「起きるまでだ」
ミオが目を覚ましたら、いつものテーブルへ行こうと思う。こんなところで眠っているのが危険過ぎるほど、その寝顔はあどけなく、愛しすぎる。だからこそ、起こすのも躊躇われるのだ。
寝ろといっても起きていて。起きろといえば、眠っている。まるで思い通りにならないミオは、自由気ままな我侭なネコのよう。だからこそ、構いたくもなるのかもしれない。
ーー馬鹿らしい。
魔法薬学学会論集第24考と題された濃紺のカバーを開く。それほどの年月を経ていない羊皮紙は、たしかに文字を残し、心を躍らせる。数少ない私の興味の対象をそこに持ち、永遠に惹きつけてやまないもの。
これさえあれば、食事などしなくとも何時間でも過ごせる。誰とも会わずとも、誰とも話さずとも、ただ己の探求心の赴くままにいられたら、それでいい。ずっとそう思ってきたのだがな。
「…なぞなぞは嫌いだよ…」
ふと聞こえた声にその源を見下ろすと、少女はまだ瞳を閉じたままだ。どうやら寝言だったらしい。ローブがずり落ちかけている。だが、今読んでいる本も同じくらいには大切だ。
どうしようかと考え込んでいると、急に身体中の神経が総毛だった。
「…に…したら…さない…」
「………ミオ?」
殺気立つミオの魔力で。己の身に持つ魔力が引き摺られる感覚に、他に持っていた数冊を取り落とす。普段ならすぐにでも拾い上げるところだが、そうすることも許さない強い、力で。指一本さえも動かせない。辛うじて動かせる目玉だけを動かし、ミオへ目を向ける。
「…ミオ、起きろ…っ」
囁くだけの掠れた声では起こせない。
どこにそれだけの殺気と魔力を持っていたのか。そんなことを聞いても無駄だ。相手は寝ぼけているだけ。眠っていてまだ解放も制御もされていない魔力。ただでさえ不安定なミオの力を裏付けるもの。
ローブに手を伸ばして、強く、握り締める。
「起きろ…っ!!」
弾かれるよりもゆっくりと、ただゆっくりとミオの闇色の瞳が現れる。そこに意志の光は見えず、ただ虚ろで、ただ空で。
「ミオ!」
一度閉じて、また開かれる。そして、ようやく殺気が払拭される。
「あれ、セブルス…?」
「いったい何の夢を見た?」
もうそこにあるのはいつものミオの強い光の宿る瞳だ。
脚立を降りて、本を拾い上げる。流れた汗で、首の後ろや額に髪が貼りついて気持ちが悪い。だが、なによりもミオが正気に返ったことに半分だけ安堵する。
「何って…あれ?」
拾い上げた本を脚立に置き、小さな影の元に膝をつく。
冷たい感じのする床に映る黒い影。己の影とわかっていても、先ほどの余韻からか今にも襲いかかられそうな予感がしてしまう。そんなことはありえないというのに。
「話は後だ。こんな所で寝ているな」
左手で自分のローブを掴み、右手でミオの細い腕を掴む。そのあまりに柔らかく、細いという事実に、今更後悔する。触れなければ気がつかなかったものを。
「セブ…?」
「いいから来い」
そのまま、本棚の奥から引き摺りだし、いつもの窓際の席まで連れて来て、座らせる。
窓は開いていないが、灰色の空でもミオの黒髪が躍るように跳ねるのは、人形のように綺麗だ。その瞳が私を凝視して、固まっていたからかもしれない。
隣の椅子を引き寄せ、ミオと向かいあわせに座る。
「それで、夢の中身は話せるか?」
動かない瞳は何も語らず、野草の淡い紅色の花弁を塗りつけたような唇も固まっている。
いつもなら、そこで諦める。だが、今日、あの殺意を目の当たりにした後では放ってはおけない。
「話せないなら、こちらから何があったかいうぞ」
ローブの上に置かれていただけの小さな手が、強く握り締められる。それを上から包み込む。自然と近くなる距離だが、ミオは微動だにしない。
ミオは私の言葉を恐れている。だが、云わなければ、伝えなければならない。
「夢の中で、お前は誰かを殺す気だったな?」
ミオだけに伝わるように、小さな、小さな声だったが。確実に的を射ていたことは、握り締めた拳でわかった。
誰を、殺す気だ。小さな東洋の娘よ。
(ミオ視点)
見つけた本は、よくないものだとわかっていた。こちらでいう、闇の魔術が使われているなんて、開かなくてもわかった。持ち前の勘てやつだが、私の勘はホグワーツに来て以来、一度も外れていない。
ーー夢を。
夢でそれが何か知ることができれば、変えられるかと思ったのが間違いだった。
見てしまったのはーー否、見せられたのは、大好きな人たちがいなくなる未来。
私とあの赤い瞳の人の力が重なり、最悪の未来図を描き出す。今までみた、どんな未来よりも悲しい夢を。
「誰かに話したら、僕は君に関わる全ての人を殺すよ」
笑いながら、赤い目の人が言ったのを覚えている。どうしてそんなに可笑しいのか、それがわからない。どうして、笑いながらそんなことを言えるのかがわからない。
強く揺り動かされて目を覚ますと、セブルスの姿が目に移った。いつも以上に不機嫌に眉を顰めて、それを笑うような余裕さえないくらい、耳に言葉が焼きついている。
「殺すよ」
どうして、私に視せた。誰かが死んだりするのは、もういやだよ。
本棚の奥から引き連れ出され、いつもの窓から見える曇り空が余計に心を暗く沈ませる。今日が晴れていたらよかったのに。
「誰を殺す気だ?」
「私が?」
「そうだ」
「どうして?」
いつものように笑えているだろうかと、それだけが心配になった。この人には心配をかけたくない。
真剣なセブルスの向こうには誰もいない。はず、なのに。赤い瞳のあの男が笑っているように見えた。
「お前が眠っている時」
固いセブルスの表情が何をいおうとしているのかわからなかったけれど、聞きたくなくて。両手で机を叩いて、テーブルを挟むようにまわって、図書室から逃げ出した。
夢で見せてくれるものは、すべてが真実。 夢で見てしまったものは、誰にも話せない。
残酷な未来は、全部自分で覆せる。そのための、力なんだよね。
「誰も殺させないよ」
強く足音を響かせて、歩いていくミオの姿を、壁の絵画達が不思議そうに見送っていた。
(セブルス視点)
ミオを見送ったあと、セブルスは持ったままだったローブに袖を通した。かすかに香るミオの残り香が意識を留まらせる。
遠くで怖い顔をしているマダム・ピンズに頭を下げ、先ほどの本棚の奥へと戻った。
今のミオには何もきこえていない。普段なら、いやがっていても逃げ出す事などない。きちんと聞くと云う事を知っている少女だった。それが今は最後まで聞かずに、話を遮ってまで、逃げてしまった。
「人の話を最後まで聞けないものは大馬鹿者だ、と言ったのはお前ではなかったか。ミオ」
誰よりも強く光を放ち、誰よりも強い闇を持つ。 それはグリフィンドールの特性なのだろうか。
ただまっすぐに。
ただ自分の心の思う正義の為に。
本を戻し、脚立に手をかけようとして、その本に気がつく。黒い皮表紙で滑らかな手触りの本は、見覚えがあった。眠っているミオがもっていた本だ。
それは誰かのダイアリー。開いた最初の頁に古いインクで記された名前は、知っている。
ーー Tom Marvolo Riddle
過去にホグワーツで特別功労賞をとったという、スリザリン寮では先輩にあたる男の日記帳らしい。なぜここにそんなものがあるのかと思ったが、日記帳の中身は何も書かれていない。
ーーくだらんな。
その日記帳を適当な本棚につっこみ、脚立を戻して、セブルスも図書室を後にした。
ローブを翻して歩く少年の後ろ姿を赤い瞳の少年が面白そうに見送っていた。
16) 予知夢
(ジェームズ視点)
西のずっと向こうの方角に灰色がかっている雲が出て、東の方へ真っ白すぎる綿雲の欠片が追いたてられている。風を避けて座っている姿を見つけたのは何度目だろう。ミオはいつも同じ木の傍にいる。
「お、いたいた。おー…むがっ」
大声をかけようとしたシリウスの口をリーマスと2人で塞ぐ。吹いてくる大風で、ただでさえまとまらない僕の髪はうねる。
木の幹に背中を預け、ローブを敷いて座っている、見慣れた漆黒の髪、白過ぎる肌の東洋の少女は、膝に上に分厚い本を広げ、一見読書中のようである。幹を回り込んでくる風で髪が踊り、白いブラウスの上に幾筋かの影を落とす。空気を全部吸い取られ、貼りついて皺を寄せるので、ミオの細い身体が余計に細く見えてしまう。ネクタイはシリウスや僕と同様に緩められ、第一ボタンをだらしなく外していたが、どうしてかその姿は色を帯び、ずっと年上の女の子に見えてしまった。
「ねてるね」
「かわいいな」
「まったく、こんな所で。シリウスみたいなのの毒牙にかかったらどうする気なんだい?」
「俺みたいって、どういう意味だよ?」
「それはやっぱり、女好き…」
「今何か言ったのは、この口か~ピーター?」
「いひゃっいひゃいひょ!!」
近づいていく途中、廊下に視線を投げ掛けると、何人かが慌てて歩き出すのが見えた。ーーまだ1年だってのに。ミオは。
「いったろ。年下は守備範囲外だって」
「じゃ、ミオは?」
「妹みたいなもんだろ。おまえらだって、同じじゃねーか」
苦笑しながら、またシリウスがミオの杖に手をかける。ただの悪戯なら止めさせようかと思ったけど、瞳の奥の真剣な光に気がついて、様子を見ることにした。
シリウスのいうように、確かにミオは妹みたいなものだ。みたいな。
ただ時々妙にその瞳が、姿が大人びて見えて、ほんの少しだけ動揺する。すぐに可愛い妹であることを再認識もするのだけれど。
「なに?」
今みたいに、急に見上げてくる視線の中の咎めるような色は大人で。
「やぁ、起きてたのかい?」
「今、起きたの」
そこから表情が崩れてにっこりと微笑む姿は子供で。
二つの顔を使い分けているのか、それとも無意識なのか。前者なら、相当の悪女であろう。
「隣いいかい?」
「いいよ」
了解をもらって、ミオの右隣に僕が座り、反対の左隣にシリウスが杖を離さないまま座る。ミオを中心に置いて、円を囲む形で、リーマスがシリウスの前に、僕の前にはピーターがしゃがみこむ。
杖から手を離さないシリウスを気にしつつ、ミオはそわそわしながら、僕の方へ向きなおった。風が小さく僕らの間に吹き込み、辺りに花の香りを届けてくる。いつもミオがさせている、甘くさっぱりとした匂いだ。あの夜にもらった桜の紅茶と同じ香り。
「なにか話があるんでしょ。ジェームズ?」
子供らしく期待に満ちた瞳で見つめられ、4人で微笑んだ。悪戯会議をしている時も、同じような表情で来るんだ。教えようとしても、いつもはリリーに邪魔をされてしまうけど。
リリーは誰の目から見てもあきらかなぐらい、ミオを大切にしている。危険な目に合わせないように遠ざけて、ミオを守ろうとしている。ミオの実姉と友人だというだけではないくらいに真剣に。一度理由を聞いたことがあるけれど、そのときははぐらかされてしまった。
そうでなくとも、ミオには腑に落ちない点が多い。仲間全員に話しているわけじゃないそれは、とても多い。たとえば、ミオのいる場所には大抵ゴーストが出て来ないとか、ゴースト達があえてミオを避けて過ごしているとか。
「羊皮紙何巻ぐらいになるかな?」
くすくすと楽しそうに笑う口元を隠す姿は、ふつうの女の子だ。
「なにが?」
「作業する場所は図書室がいいのかな。おっきなテーブル、必要だもんね」
「別にどこでも平気だと思うよ」
「ダメだよ。誰にも秘密にしなきゃ! 面白くないでしょ?」
ああ、君は。ねぇ、本当に何者なんだい?
「ミオ」
「私の知ってる場所で、ジェームズ達の知らない場所があるかわからないけど」
焦るように、いそいで言葉を紡いで、ミオはそのままどこまでも走りつづけてしまいそうで。同じように感じたのか、シリウスは強く、杖を握った手をにぎりなおしている。リーマスも笑みを微妙に深くしている。表面に出さないだけ、彼はみあげたものだ。ピーターは目を見開いて、わずかに怯えている。
「ねぇ、ミオ?」
「是非とも協力させて!」
「まだ話してないのに、どうして僕が何をいおうとしてるのかわかるんだい?」
乙女手で見上げてくるミオは、子犬みたいな瞳で、顔は笑みを形作ったまま、凍りついた。
「あー…勘ってことで」
「ずいぶんと確信してたみたいだけど?」
「…ごめん、忘れて」
「忘れていいの?」
「そーそれはー…聞いてから、思い出す、とか?」
「ダメ」
冷汗でも出ているのか、ミオはネクタイに手をかけて、しゅるりと外して手の中に丸め込んだ。くしゃくしゃにされるグリフィンドール寮の赤と金の獅子と、わずかに目が合う。ごめん、僕に救出は無理だ。
目をあげると、シリウスが見るからに不可解な表情をしている。リーマスは、いうまでもないが笑顔のまま。僕等の会話が切れるのを待っていたピーターが切り出す。
「ねーっ ジェームズ、ミオ、何の話?」
彼にしては的を射た質問だ。なんて返そうと考え込んでいると、ミオがわざとらしく手を打ち鳴らす。
「私、明日提出の課題があるんだった!」
「あとで手伝ってあげるよ」
すかさず、リーマスが留める。
「でも、自分でやらないと意味ないし!」
「全部とは言ってないだろ」
イイ切り返しだ、悪友たちよ。
「それより、ミオはジェームズが何の話をすると思ったのかな?」
「ジェームズもだ。お前、やっぱりまだ何か隠してやがるな」
自分と同じくらい、僕が2人に睨まれてるって、ようやくミオはわかったようだ。
「ジェームズ、話してないの…?」
笑顔で頷き返してやると、ミオはしまったという顔で頭を抱え込んだ。さらりと揺れる髪がまた、風で流れるのをシリウスが捉えて、耳に掛けてやる。彼の手の感触が耳から伝わったのか、ミオは今度はシリウスの方を見上げる。それからリーマスを見て、ピーターを見て、また僕に視線を戻す。どことなく悔しそうだ。
「…てっきり、全部話した後だと思ったのに…」
「全部って?」
「全部は全部。ジェームズ、本当に地図の事話してないの?」
「地図!?」
この3人に秘密にするのも大変だって事、ミオは知らないだろうね。
「話してないよ。ミオはどこまで知ってる?」
こうなったら全部話してもらおうかなとか、逃がさないと思っているのが伝わっているのか、ミオは苦薬でも飲まされた顔をしている。
「ホグワーツの地図、作るんでしょ?」
吐かされるのがよほど否なのだろう。ミオは仕方なさそうに、言葉を吐き出す。でも、その表情にわずかに微笑が混じっている事はわかってるんだ。こんなおもしろそうな事から進んで外れるミオじゃない。
「うん、それから?」
「それから、ホグワーツの裏の地図も作るんでしょ」
他の3人が息を呑むのがわかった。
「裏の地図って、裏!?」
「僕たちの使ってるような裏の通路とかだよね」
「すっげーおもしろそうだなー!」
口々に騒ぎ出す彼等に説明する前に、僕はミオの瞳を見つめたまま、わざと静かに紡いだ。
「で、どうして僕の頭の中にしかなかった計画を、ミオが知ってるのかな?」
眼鏡と瞳の間を冷たい風が吹いて、楽しみ過ぎる僕に喝をいれる。ミオ相手に油断すると、あっというまにはぐらかされて逃げられてしまう。
小さな少女は焦った顔で空を見上げ、瞳に通りすぎる綿雲の影を映して、もう一度僕ら全員を見回した。
「知ってるから、じゃ、ダメかな?」
「それで、僕等が納得すると思ってるんだ」
「…納得、してくれないか…」
もう一度シリウスに視線が向けられ、杖を掴む手に向けられる。ここから抜けられるとは思ってないね。ミオはそんなに馬鹿じゃない。
「ミオ?」
目を閉じて、大きく深呼吸して、肩がわずかに浮きあがって、また小さくなる。覚悟を、決める人の常と同じくして。
音を発せずに、小さく口が動く。読唇術が出来るわけじゃないから、僕にはなんと言ったのかはわからない。ここにいる誰でもない人にむかって、それは発せられ、消えた。
「地図が完成したら話す。それじゃダメ?」
上目遣いに見上げてくると、長い睫毛が小刻みに震えていた。探るようで泣きそうな瞳に、僕も怯みそうになる。
「何か、理由があるんだね?」
落ちついたリーマスの声音に、ミオはただ肯いて俯く。
怯えていると見えなくもないけど、だとしたら何に怯えるというのだろう。ミオに怖いものなどないように見えるのに。だがしかし、ミオだってまだ、小さな子供だ。まだ、誰よりも小さな、子供なんだ。
「ミオ」
傾いて、肩を寄せて触れると、細い肩はそのまま消えそうに小さくなってゆく。
「地図が完成したら必ず話すと、誓えるかい?」
今度は大きく肯く頭に手をかけて、滑らかでさらりと通りぬける髪を梳く。
「完成したら、絶対話す」
「よし。約束だ」
「うん」
ポンポンと叩くと、ミオはもっと強く杖を握り締めてなにかを耐えていた。
「僕も誓おう。地図が完成するまではミオの秘密を探らない、とね」
「ジェームズ、なんでそんな回りくどい…?」
「異論があるのか、シリウス? ミオは
言い詰まる親友に笑いかけると、しぶしぶと頷いてくる。
不安げに見まわすミオに、リーマスとピーターが笑いかける。
「僕、待ってる」
「僕もミオが、ミオから話してくれるまで待つよ」
「ありがとう。ピーター、リーマス」
ミオの肩が震えて、どうしたのかとその手元を見て、僕もリーマスも眉根を寄せる。ミオの手の上に、大きくて細長いシリウスの手が重ねられていたから。
「絶対だな?」
真剣な声音に、また肩が震える。
「信じてよ」
小さいけれど、しっかりと強く言い切るミオに、ようやくシリウスも笑い、手を離した。
「ああ、信じるよ。ミオ」
僕とシリウスの間に挟まれ、苦しそうにしながらも、ミオはやっと本当の笑顔を見せてきた。リリーといる時でも滅多に見せない、あの彼女の姉の話をする時ぐらいしかしない、花の笑顔を。
本当はこの笑顔が見られるなら、ミオがどんなに秘密を持っていてもいいとも思ってる。でも、それじゃいけないと考えるのも事実で、僕はその思いを消したくはない。
ミオのためにとはいわないよ。僕は僕の為にミオの秘密を知りたい。そして、力になりたいと、なれると思ってる。
これは僕の傲慢かな?
17)夢見心地
(リーマス視点)
時々、少女はその年齢に不相応な目をする。
闇を受け入れたような深い黒色の眼球が、すべてを見通しているかのようで、少し怖い。
「こんばんわ、ミオ。また眠れないのかい?」
見慣れた和風の寝巻き姿の小さな女の子は差し伸べた手に素直に捕まり、隣に座った。そこに用意して置いた毛布をかけてやると、少女のいる左側に軽い重力がかけられる。
「…リーマス…」
虚ろな声が水の響きを帯びて、明りの灯らない静寂の部屋に波紋をもたらす。問いかけというよりもそれは独白に近い。
「…リーマスは、怖いもの…ある?」
普通なら、震えながら話すだろう言葉は、夜空の映る窓を通りぬけて消える。
「…ミオは?」
「…ある」
大人びた声音に振りかえっても、そこにあるのはいつも通りのミオの姿で、その視線はやはり窓の外に在る細い月に注がれていた。
「…けど、お姉ちゃんにはないの」
何が、と聞き返そうとしたところで、続いた言葉が遮る。
「…へぇ?」
「みんなお姉ちゃんを怖がるけど、すごく優しいけど、怒ると怖い」
愉しげな笑いの振動が抵抗なく伝わってくる。
「リーマスは…」
急に見上げてくる視線とぶつかる。笑っているのに、透明な膜が彼女を覆っているのがわかる。
「リーマスは少し、似てる」
「僕が、ミオのお姉さんに? どうして?」
夜の闇が見せる幻か。口の端をわずかに上げる笑い方なんて、スネイプぐらいしかしないと思っていた。冷たい笑い方だと思ったのに、ミオのそれは年齢や性別を飛び越えた高い所にある優しいものだ。
「強くて弱くて優しいところ」
家族だけにみせる、不可思議な神聖さが伴う。
擦り寄ってくる姿に手を伸ばし、抱きしめてしまったら、そのまま月と星の光に融けてしまいそうでできない。それぐらい、僕には大切で大きな存在になっていることに気がついた。
「夢が…夢のままならいいのに…」
ひゃっくりあげる声が、しがみつかれる腕を震わせてくる。
「あたしなんて、なんのちからもないのに」
強く握り締めてくる腕が、かすかに悲鳴を上げる。なんて力だろう。僕等よりふたつも下なのに。
「…ミオ」
「どうしていつも仲間ハズレなの? あたしだって、守りたいのに!」
「ミオ!」
強く呼ぶと、力が緩んだ。見上げてくる瞳が大きく見開かれ、戸惑う僕がうつっている。
「リー…マス?」
肯くと、視線を順々に降ろして行き、自分が掴んでいる腕を見て、慌てて離れる。その慌てかたがあんまり唐突でそのまま後ろへ倒れこんでしまいそうだったものだから、思わず腕を引いていた。抱き寄せていた。
「急に離すと危ないよ」
「うん。ごめんなさい。…ごめんなさい…」
戸惑いはどちらから伝染したのかわからない。
「ねぇ…私、なにか言ってた?」
照れてか涙の跡の余韻かで、頬は図書室にあった何かの辞典で見たフクシアという花の淡い紅色である。擦ろうとする手を抑える。
「何かって?」
「リーマス、ずっとここにいた?」
妙な問答だ。何が云いたいのか。
「いたけど?」
一言で、ミオの顔があからさまに引きつって、固くなった。その手が何かを探る。普段、杖をつけている位置だと気がつくのに時間がかかるわけがない。
「お、お願い。忘れて!」
ないとわかると必死の形相でお願いと、頼みこんできた。服を掴んで揺さぶって、瞳が潤んで、また涙が溢れてくるのに慌てる。
「な、なんで…?」
「いいから、お願い!」
「いいけど…」
「ホント!?」
「でも、理由を教えてくれないと」
な、なんでそんなに哀しそうになるの?
「…あとで話す、じゃ、ダメ?」
「ダメ」
いじけた瞳が上目遣いに見上げてくる。さっきまでの妖精みたいな空気はどこへいったのだろうと思うぐらい、それは普段通りの愛らしさを見せてくる。作りものでない、ミオの本来の、妹、みたいな。
ーー本来の?
じゃぁ、さっきまでの透明な幕屋にいるみたいなミオは、なんなんだろう。あれも、ミオ、だよね?
「ケチーっ」
「ふふっ、ホットミルク入れようか?」
「いる」
自分の杖をテーブルに置いて、自分の分の紅茶でも入れようと立つ。ミオの視線は、テーブルの僕の杖にあるだろうか。
噂では聞いている。ミオは授業を良くさぼるが、闇の魔術に対する防衛術だけはよく出て、問題を起こすらしい。実際に見てはいないが、攻撃する術には長けているらしい。が、本人にやる気のない他のことに関しては、まったくといっていいほど…。
「忘れてくれない?」
「忘れられないよ」
「私がリーマスの秘密を知ってるっていっても?」
動揺は顔でも口でもなく、手にあらわれた。不意打ちすぎた。ミオは、気がついていないと思ったのに。
「なんの話だい?」
心を抑えつけて、震えない腕でミオの前にカップを置く。その見上げてくる瞳が怖くて、意識的に逸らしている僕がいる。時折、すべてを見通しているような、あの油煙の黒の瞳。星の宿る静寂の色。
ミオの歳では到底持ち得ない複雑な波があるから、僕は不安になる。
「日本にもいろんなイキモノがいるよ」
無邪気な声が不自然だった。動悸を早める僕の神経までも逆撫でしていく。
「こっちじゃ、魔物とか妖精とか怪物とか言われるけど…あっちじゃ、妖怪とか鬼っていうんだ」
「…ヨウカイ…」
「ゴーストは同じかなぁ~」
「ミオ、日本の話がしたいわけじゃ、ないよね?」
はぐらかされ、離れかける話をつい、自分で戻してしまう。不安をこれ以上大きくさせないうちに済ませてしまいたいという気持ちと、どうか当てないでほしいと願う感情が混在して、覚悟はできていても揺れてしまう。
「こういう話、嫌い?」
「嫌いじゃないよ。でもーー」
「日本にはそういうものと人間…えーっと、マグルの間に立つものがいるよ。そういう人たちは巫女とか呼ばれることが多くて…えっと…」
言葉を慎重に選びながら、必死に話す姿からは何を云いたいのかわからない。
「たぶん、魔法使いと同じものだと思う」
「たぶん?」
「ホグワーツで習うのとは違う魔法なんだって」
そして、お姉さんはそれに属するのだという。少し、納得できる気がした。
「血は受け継がれていくもので、私にもそんな血があるっていわれてた。けど、ずっと…なにもないと思ってた」
何かを思い出したのか、小さな眉間が寄せられ、強く唇を噛んでいる。血が、出るよといいたいけど、声が出てこなかった。
「視えるだけだと、思ってた」
声が、でない。息が…細く小さくなる。
「リーマスがなんでもいい。でも、お願い。忘れてほしい。今夜のことは全部、忘れて」
「ミオ…?」
「でないと、変わっちゃう」
透明な一粒が、僕の手に落ちた。冷たくて、少し温かいそれがミオの涙だと感じるまで、長い間が。静寂が。
闇に嗚咽が響く。
音階を並べて、ひとつひとつ弾いていくみたいに、小さく弱く、大きく強く。
「全部、変わっちゃうんだよ。今が無くなる…」
おそるおそる伸ばした手に対して、ミオは迷いなく飛びこんで来た。反動でソファーが深く沈む。
「みんな消えちゃう…!」
「ミオ、ちょっ…と」
「こんな力なら、いらなかったのに」
「ミオ!!」
そのまま壊れてしまいそうだと、感じた。
「わかった。忘れるから。だから」
ーー泣かないで。
忘れると言わないと、そのままいなくなってしまいそうで。強く抱いて、囁いて。それでも、ミオは泣き続ける。僕ひとりでは支えにならないかもしれないけど、今は一緒にいることしか出来ないから。だからせめてその心を癒せるように、力は込めずに抱きしめつづけた。
ーー大丈夫。
と、時折囁く声は届いただろうか?
そうして、そのままミオは眠りについて、僕も眠ってしまって。
朝早く降りてきたシリウスとジェームズに叩き起こされた。
そこからはいつもと同じで、いつもと違う日常。
ミオも、なにもなかったように笑顔だった。
僕は、その時のことを記憶の箱に鍵をかけてしまった。忘れるなんて、できないよ。大切なミオのことだから。
(セブルス視点)
変化はいつも小さい。一緒にいるというのに、あいつらはどうして気がつかないと歯噛みする事もままある。
廊下で腕を軽く引いただけで、その姿が揺らいだときは本当に驚いた。
「おい…っ?」
自分でも驚いたのであろう。視線はぼんやりとしていたのが色を取り戻し、大きく見開いたままゆっくりと僕を見上げた。漆黒の双眸が柔らかく安堵を示し、へらりと笑う。
「ありがと、セブルス」
「ぼーっとしてるな」
「はぁい」
引っ張り上げて立たせようとして、あまりの軽さに気がついた。
そういえば、朝食の時、あまり食が進んでいないようだった気がする。
「腹が空いたのか?」
「あはは~そうなのかな?」
いつにも増して、不安定。普段が85%不安定とすれば、今は99%。ほとんどめいっぱい別の事に気を取られている。
どうしてこうもこの少女は不器用なのだろう。自分以上に。
「次、薬草学なんだけど」
「あとで教えてやる」
引っ張っているがミオは抵抗することなくついてくる。ーーいよいよもっておかしい。こんなに素直な少女であったろうか。
「ありがとう。やさしーね、セブルスも」
するりと腕から抜け出て、止める暇も与えずに、彼女は手摺を飛び越えた。いつもながら軽く風に流れる動作はしなやかで、止めるのも忘れて、魅入ってしまう。
「いつもの場所にいるから!」
手摺から下をのぞくと、もう移動中の階段に飛び乗った所だった。後ろ姿はそのままきえてどこか遠くの世界へ消えてしまいそうに儚い。脆く、崩れやすい砂の城を移動でもしているようにあぶなっかしい。
「…馬鹿者が」
眺めるのを止めて、踵を返す。少し歩いて、彼女の逃げ出す理由がわかった気がした。
前方から歩いてくるのはいつものグリフィンドールの4人組。
何故か知らんが、僕にからんでくる迷惑な者どもだ。放って置いてくれればいいものを。
ミオも同じなのだろうか。
「だから、か?」
呟きが届く前に、僕は角をまがって、道を変えた。運悪く通りかかった誰かの悲鳴が聞こえた。
(ミオ視点)
空に声がとけてゆく。曇った空なのにその向こうに故郷が見える気がして、無性に懐かしくなって、手を伸ばした。届くハズのない、場所へと手を伸ばした。
「まだ、まだ…消えないで」
放つ全ては消えてしまって、何の意味もなさない。
なのに、夢ばかりが現実となる。
今わたしは起きてるの?寝てるの?
もうそれさえもどうでもよくなる。
わかっていることは今居るのは ホグワーツで、私が11歳の小さな子供であるということ。
「さくら さくら やよいのそらは みわたすかぎり かすみかくもか においぞいずる いざや いざや みにゆかん」
伸ばした手に誰かが触れた。
影がかかって、逆光でわからないけど気配でわかる。彼の空気は独特の緊張を持っている。それは弓に張られた糸みたいにピンと張っていて、容易に緩まない。緩んでしまえば、それは鋭い矢を放つだけだ。
「何をしている、ミオ」
「寝てたー」
へらへら笑って起きあがると、思った通り不機嫌に隣に座った。持っている本は置いてしまって、珍しく顔を覗きこんでくる。
奥に在る色を私は知っている。
「心配?」
「ああ」
「へいちゃらよ。私は」
「ミオはいつも考えすぎるからな」
スパンと直球で打たれた。痛い。
「ひとりで勝手に悩んで」
ザクッ
「ひとりで勝手に心配して」
ザクリ
「大馬鹿者だ、ミオは」
特大級の弓でももってるんじゃないだろうか、この男は。
「さぁっすがだねーセブルスは」
誰にも見抜かれたことなんて、なかったのに。
「話してみる気はないか?」
でも、見抜かれても話すわけにはいかないんだよ。約束だから。
首を振ると、あっさりと引いてくれた。ほらね。こういうのも優しさじゃないかな。不器用だけど、やっぱりセブルスは優しいよ。みんな、優しすぎるよ。
視界が反転する。世界が全部横向きになる。高い空と広い緑と黒いローブの順で目をやって、空へと視線をぐるりとまわすと、温かい手でそれは遮られた。緑と薬品の匂いがごっちゃになって、濃く薫る。
「今はまだ聞かないでおいてやるから、少し休め」
「はぁい」
今はまだ。
「…ありがとう」
あなたにもいつか、話せるといいな。
そのいつかが来る日があるといいんだけど。
(リリー視点)
意外といえば意外。当然といえば当然。だけど、この現場をあの4人がみたらなんて思うかしらね。
噂では聞いていたけど、実際に見たのは初めてだわ。
木漏れ日の下に似合わない影がひとつ。黒いローブ姿もピンと張った背中も醸し出す空気も見慣れていたけど、それは彼らしくないといえば彼らしくなく。
日光浴しながら読書なんて珍しいとよくみていたら、そのすぐ傍に小さな影を見つけてしまった。
スリザリン生の膝で気持ちよく眠るなんて、彼女らしいといえばそうなのだが相手が相手だ。
「珍しいのね」
近づいていく音に気がついて不機嫌な顔が振りかえってきた。私が手を上げて挨拶すると、彼には何事もないように視線を戻される。
ーー無視されたととっていいのかしら。
私がグリフィンドール生だから、アタリマエなんだけど。ちょっとイヤね。
前に回ると、ミオは気持ちよさげに眠っている。よほど機嫌がいいのか笑顔まで浮かんでいる。手には相変らず杖が握られているけど。もう以前のように指が白くなるまで握ってはいない。
「何の用だ、グリフィンドールのエヴァンス」
「用があるのは貴方じゃないわ。ミオによ」
鋭く睨みつけてくる瞳を受けとめる。受けとめられないわけがない。それは彼女を心配していると物語っているのだから。
「だったら、さっさとつれてゆけ」
…見間違いかしら。
風でミオの髪が逆向きに流れる。長めの睫毛が震えて、そこに光が混じる。
「ミオ、起きろ」
揺らされてそれが開く。2、3度の瞬きで光は消えて、奥からぼんやりとした焦点の定まらない黒い双眸が私を映す。黒いのに透明でよく澄んだその向こうに引き摺りこまれそうになって、私も瞬きした。
「迎えが来たようだしな、俺は戻る」
迷いなくスクッと立って、セブルスは戻っていった。
「え、あ、ありがと。セブルス!!」
彼にしては珍しく片手があがって、答えが返ってきた。
「えっと、リリー…?」
「本当に仲良かったのね、スネイプ君と」
「うん? おかしい?」
「いいえ、ミオらしいわ」
にっこりと微笑むと、笑顔が釣られてくる。でも、私はきっとそれ以外の笑顔なんて見たことない。作られた笑顔しか見ていないのかもしれない。
「今日はオレンジケーキを焼いたの。ミオは食べるかしら?」
「食べる食べるー! リリーのお菓子おいしいもん」
「それじゃ、悪戯者に見つかる前に私の部屋で食べましょ」
小さな手を引いて移動しながら、少し思った。
ーーこの子はこんなに小さかったかしら?
気のせいでなければ、ミオは少し細くなっている。もしかして、スネイプもそれに気がついたのかもしれない。だから、休ませていたのだろうか。
「今日は一人で全部食べていいの?」
「ええ、ミオのためのケーキだから」
「えへへ。リリー大好きっ」
小さくて可愛いミオ。みんなが心配していることに貴方は気がついているのかしら?
「…もう少しだから、待ってて」
小さな囁きが聞こえた気がしてミオを見ると、彼女は笑って先に走ってしまう。小さな羽根が生えてるみたいにパタパタとはねて行ってしまう。
「やっぱりみんなで食べよう!リーマスのミルクティーが飲みたい!」
「ミオ?」
「早くしないと、シリウスとピーターが食べちゃうよ~!」
追いかけたけど、あっというまに彼女は見えなくなってしまって、談話室に着くころにはケーキ争奪戦が繰り広げられていた。いったいどこで私がケーキを焼いたと聞いたのだろう。
「私のだってばー!」
「もう食っちまったもんは出ねーよ!」
「吐け~!!」
「ぐぇぇぇ…っ やめろ、マジ吐くから!」
「もったいないことすんなよ、シリウス」
「俺のせいかよ!?」
「 おまえのせいだ」
ミオとジェームズとリーマスの声が綺麗にはもったので、怒るのを忘れて、つい笑ってしまった。
- 15)悪夢
なんだかだんだんとわけのわからないものに。
(2003/03/25)
- 16)予知夢
主人公が勘違いしたのは、(13)あたりの夢です。
ジェームズさんだけが何か知ってそうですが、とりあえず置いといて。
次からいろいろやりつつ地図製作に入りますか。
いいかげん、これも終らせねばなぁ~…
(2003/03/27)
- 17)夢見心地
文不調ですだよ。<どこの人だ。
分けられるかと思ったけど、心配している事には変わりないし、まぁいいかで全部一緒に載せちゃった。
せっかくの連休中になにしてんでしょうね、私。ちょっとへにょっているんで、いろいろ勘弁です。
(2003/05/05)