シリウス・ブラック>> Instrumental>> Magic Word

書名:シリウス・ブラック
章名:Instrumental

話名:Magic Word


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.3.13
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:390 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 ホグワーツで一番大きな木の下は、心地良い風が吹いていた。今日は、卒業式。みんな一緒にいられる、最後の日。

 私は校長に頼み込んで、今、ここにいる。最後の歌を歌うために。

 卒業しても、また逢えるようにと願いを込めて。力を増幅させてきた、この忌まわしい杖を握り締めて。真っ青な雲一つ無い空に言葉を繋ぐ。

 いついつまでも、この幸せな時間を忘れぬように。世界中が優しくあるように。魔法族も非魔法族も関係なく。人も自然も分かたれることなく。いついつまでも、この最高の時を忘れ得ぬように。

 歌い終わりにはいつも彼の足音と私を呼ぶ声がしていた。それも、今日でおしまい。

「シリウスに言葉の祝福をあげる」
 真実は明かせないけれど、貴方の幸せを一番に想ってる。なんだよ、と優しく笑う彼にそっと口づける。

「“貴方の幸福は貴方だけの物”」
 遠く離れてしまっても。きっとここで過ごした時間を忘れないように。

あとがき

卒業祝いとかじゃないですが。
「言霊使い」シリーズを書き始めた目的です。
シリウスが生き延びた理由が、この主人公のせいであればいいなぁと。
でも、肝心の台詞忘れた(笑。
(2006/03/13)