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書名:テニプリ
章名:読み切り

話名:青学中@手塚国光 - aveu


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.4.10
状態:公開
ページ数:2 頁
文字数:593 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 隣の席の人はとても真面目で天然だ。

「手塚君、ノート貸して」
 不真面目なわけでもない私がそういうのを怪訝そうに見るけど、素直に貸してくれる。

 綺麗な字体で丁寧に書き写されたノートの端に、さらさらりと書き込んで。

「有難う」
 にっこり笑って返すと、程なくしてその耳が赤くなった。

「からかっているのか?」
 不器用な彼の声。

「んーん、大マジ。あ、返事いらない」



-- 私は手塚国光が大好きです --





p.2

 夕陽の光が教室に差し込む。

 窓の外には運動部の、とりわけ目の前のテニス部の掛け声がよく聞こえる。

「部活行かなくて良いの?」
 ドアに立ちつくしていた俺の前で、彼女は普段通り振り返りもせずに声をかける。

 待っていたわけではないのだろう。返事はいらないと、言ったのだから。

 だが、もしも俺をもう一度見てくれたなら。

「こらこら。青学テニス部部長がそんな情けない顔をしないのっ」
 橙色の光に照らされ、彼女は普段よりも柔らかく微笑む。誰に対してもそうだから、期待などしていなかったのに。

 手招きに誘われ、彼女の隣に立つ。

「そんな顔をさせるために告白したんじゃないわ」
 軽く柔らかい力で、俺の胸を拳で叩く。その細い手首を掴む。

 普段なら絶対しない大きな瞳で俺を見上げる。

「返事を」
「いらないって」
 泣き出しそうに笑っている彼女がとても愛おしくて、胸に抱き込む。

「好きだ」
 返事は無く、ただ彼女は俺の胸に体を寄せた。



あとがき

リクエストは「青学部長」なので、全体的に大人な風味に。
悪戯っぽく告白したのに大人に返されて困るヒロイン。
一条さんリクエストありがとうございました!
こちらから先を追加すると言っておいて、こんな出来。
ごめんなさいー!!
またリクエストお待ちしてます♪
(06/04/10 12:55)