幕末恋華>> 土方歳三>> 一緒に食べたいから

書名:幕末恋華
章名:土方歳三

話名:一緒に食べたいから


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.4.24
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:325 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

前話「恋の道」へ p.1 へ あとがきへ 次話「衝動」へ

<< 幕末恋華<< 土方歳三<< 一緒に食べたいから

p.1

 河原を散歩していたら、珍しい人に会った。

 気配を殺して走っていったのに飛びつく前に振り返られてしまって、しっかりと抱き留められる。

「わっ」
「何故おまえが驚く」
 呆れたような声音に、照れ笑いを返す。釣られてはくれないけど、空気が少しだけ柔らかくなったように思う。

「今日は非番ですか? お団子食べに行きませんか?」
 続けざまに問いかける私の頭を軽く叩き、苦笑が帰ってきた。

「おまえ、実は奢ってもらいたいだけだろう」
「そんなことないですよ」
 手を引いて歩きだす私に逆らうことなく着いてきてくれる。

「土方さんと一緒に食べたいから、奢って貰うんです」
 言った後で、自信を持ってそういうことを言うんじゃねぇと怒られた。

 肩を抱いて囁かれても全然怖くないけどね。

あとがき

最近「揺らぎの葉」で影が薄い人を書いてみました。
「揺らぎの葉」では攻略キャラに入ってるのに変だな…。
この人好きだけど、惚れた女の前で格好悪いことはできるか、と豪語する人なので難しいです。
(2006/04/24)