テニプリ>> 読み切り>> 不動峰中@石田 - 告白の条件

書名:テニプリ
章名:読み切り

話名:不動峰中@石田 - 告白の条件


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.5.8
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:430 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 柔らかな五月の新緑の風が吹く。緑の香りを乗せて、やってくる。

「てやっ」
 ぱこんととても軽い音をたて、へろへろとボールが飛ぶ。そのままネットに当たってこちらに落ちる。

「そうじゃないって」
「言ったとおりにやってるじゃんっ なんで飛ばないのー!?」
 力無く笑う幼馴染みに、そのままテニスボールを投げつけると、簡単に捕られてしまった。…悔しい。

「鉄、ボールがあっちに入ったら、逃げないで話聞いてね」
「別に入らなくても聞いてあげるよ」
「それじゃ、私が嫌なのっ」
 もう一度ボールを放り投げる。これが入ったら、幼馴染みは卒業する。

「てやっ」
 ぱこん。

 何回失敗したっていい。もうただそばにいるだけなんて耐えられない。

 試合で怪我してないか、家でただじっとしてるなんて耐えられない。

 いつでも、部活の間でも鉄の側にいられる口実が欲しいの。まだまだ私は意気地がないから、貴方の隣にいられる理由を、

 作りたい。

「てやっ」
 だから、これが入ったら。私を石田鉄の彼女にしてください。

あとがき

ヒロインが勝手に作った告白の条件。
しかも自分の中だけの条件。
めちゃくちゃなヒロインですね<おまえが言うな。
(2006/05/08)