写真というものを初めて見た。
「これ、梅さん?」
それをくれたばかりの目の前の人をみやると、嬉しそうに微笑んでいる。
「これがあれば、わしがいのうても寂しくないろーう?」
彼がそんなことをいうなんて珍しい。
「いなくてもって、いなくなるような予定でもあるんですか?」
「いんにゃ、ないがで」
変な人だ。初めて会ったときも思ったけど、やっぱり変な人だ。
よほど私は情けない顔をしていたに違いない。彼は慰めるように私の肩を叩いた。
「わしはいつでもおまん一筋ながら、おまんにもわしのことを四六時中考えていて欲しいがやきす」
これはそのためのものだと。妙なことを考える人だ。私は今でもいつだって、梅さんが消えてしまいそうで心配で仕方ないというのに。
きゅっと彼の手を握る。
「わかりました」
彼は吃驚した顔をしたあとで、いつものようにぎゅっと私を抱きしめた。
そろそろ拍手も更新せねば、ということで。
梅さんに頑張ってもらいました。
気をつけないと、この人には押し倒されそう。
(2006/06/26)