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書名:幕末恋華
章名:読切

話名:恋華@才谷 - いつも


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.6.26
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:371 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 写真というものを初めて見た。

「これ、梅さん?」
 それをくれたばかりの目の前の人をみやると、嬉しそうに微笑んでいる。

「これがあれば、わしがいのうても寂しくないろーう?」
 彼がそんなことをいうなんて珍しい。

「いなくてもって、いなくなるような予定でもあるんですか?」
「いんにゃ、ないがで」
 変な人だ。初めて会ったときも思ったけど、やっぱり変な人だ。

 よほど私は情けない顔をしていたに違いない。彼は慰めるように私の肩を叩いた。

「わしはいつでもおまん一筋ながら、おまんにもわしのことを四六時中考えていて欲しいがやきす」
 これはそのためのものだと。妙なことを考える人だ。私は今でもいつだって、梅さんが消えてしまいそうで心配で仕方ないというのに。

 きゅっと彼の手を握る。

「わかりました」
 彼は吃驚した顔をしたあとで、いつものようにぎゅっと私を抱きしめた。

あとがき

そろそろ拍手も更新せねば、ということで。
梅さんに頑張ってもらいました。
気をつけないと、この人には押し倒されそう。
(2006/06/26)