縁側で涼んでいたら、低い声がかけられた。
「珍しいカッコしてるじゃねぇか」
いつもの平服ではなく、浴衣姿の私に土方が眉を顰める。
「地主神社で七夕祭りがあるんだそうです」
ぴくりと眉目が動く。
「一緒に見廻りに行きませんか」
見廻りは名目で、格好からして遊ぶ気満々なのはわかっているだろう。それでも、私はこの人と行きたい。
「行きましょう、土方さん?」
断られても良い。この人がどんな答えを返してくれるのか、それが知りたい。期待に満ちた私の前で、土方は深い息を吐いた。