読切(二次)>> 遙時3>> 遙か3@景時 - 安心

書名:読切(二次)
章名:遙時3

話名:遙か3@景時 - 安心


作:ひまうさ
公開日(更新日):2006.9.11
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:606 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
デフォルト名:/望美
1)

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p.1

 帰ってきたら君の姿がなかった。

「兄上。遅くなるならちゃんと連絡してくださいっ」
「朔、彼女は」
 居場所を知っているであろう離れに住む妹に問うと、いつもの口調で呆れられた。

「まあ、またあの子ったら…」
「どこにいるんだい?」
 朔の言うとおりに部屋へ戻れば、俺の着物を抱えるように君は眠っていた。

 抱き上げれば頬に残る涙の跡がよく見える。

「ごめんね、一人にして」
 俺のためにこの世界に残ってくれた君が、一人で俺の帰りを待つことがどれだけ寂しいことか。わかってあげられなかったね。

 涙の跡を舐めると少し塩辛かった。

「あ、景時さん…?」
「おはよう」
 ぼんやりとしていたのが状況に気がついて、暴れ出す。

「あ、わ、私、!」
「ごめんね、遅くなって」
「いいえ、その、あの、えーっとこれはっ」
「うん」
 彼女を抱えたままで部屋に座り、その続きを促す。

「その昨日の夜は寒かったから、」
「うん」
「帰ってきた景時さんも寒いだろうって思って、」
「うん」
「それで、えっと…」
「?」
「景時さんの香りがいっぱいだったから、安心、しちゃって」
 気がついたら、眠ってしまっていた、と。

 ごめんね、とひとつ口づけを落とす。これは一人で夜を過ごさせてしまった、お詫び。

 ありがとう、ともうひとつ口づけを落とす。これはこんなにも俺のことを想ってくれているキミへのお礼。

 昨日の仕事が長引いたお陰でお休みを貰ったから。

 今日は一日中、一緒にいよう。

あとがき

遥時3で景時さん。
ああもう、この人大好きです。すべてを包み込むような優しさがもうっ
でも、ものすごくへたれなところも含めて大好きーっ!
(2006/09/11)