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書名:はーさん
章名:WEB拍手

話名:カカオ99%


作:ひまうさ
公開日(更新日):2007.2.14
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:334 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

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p.1

 雪を被った梅に手を伸ばし、そっとそれを払う。

 光の残滓がキラキラと目の前に落ちるのをうっとりと眺める。

「何してんですか、せんせ」
「いやぁ梅が綺麗だなぁって」
 へらりと、縁側で座っている彼女に笑いかけると、露骨に眉を顰められた。

 何もそこまで毛嫌いしなくても。

「んじゃ好きなだけそこにいてください」
 彼女が何かを取り上げ、俺は放り投げられた小さな包みを受け取る。

 それは小さな小さなチョコレート。の、欠片。

「…ふつうさぁ、バレンタインだったらもうちょっと」
「ただのおやつです」
 こちらを見もしないで彼女もまた、手元のそれを自分の口に放り込んだ。

 倣って、俺もそれを口に入れる。

 それは全然甘くなかった。

「苦~っ!?」
 カカオ99%ですよ、と彼女が楽しそうに笑った。

あとがき

バレンタインらしく。こっちも更新してみようかなと。