幕末恋風記>> 他>> 幕末恋風記 02章 - 序

書名:幕末恋風記
章名:他

話名:幕末恋風記 02章 - 序


作:ひまうさ
公開日(更新日):2007.10.30
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:295 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
デフォルト名:榛野/葉桜
1)

前話「若葉の候 - 傍若無人」へ p.1 へ あとがきへ 次話「幕末恋風記・弐 - 序」へ

<< 幕末恋風記<< << 幕末恋風記 02章 - 序

p.1

 いつものようにふらりと町を歩き、ふと立ち止まり、振り返る。

 雑踏に覚えのある香り。

(そんなはずは)
 自分を否定し、再び歩き出す。しかし数歩先で踵を返してしまった。

 夢を求めるように。幻を願うように。

 微かとなった香りを追いかけて、その場所へ辿り着いた。

(そんなはずは)
 あるはずのない。いるはずもない。

 わかっているのに。

「なにしちゅう?」
 知人が背後から問いかけてくる声で我に返り、拳を握りしめ、唇を強くかんで、逃げ出した。

(そんなはずは)
 一目散に屯所へ戻り、布団を被って、我が身を強く抱きしめる。

(そんなはずない)



 己を捕らえていたのは恐怖でなく。

 逢いたいとただ希う、

 恋慕の情。

あとがき

花柳剣士伝、ちょー気になる
やってないけど、「揺らぎの葉」と絡ませたい気持ちでいっぱいです
そんで、分岐作りすぎて、泣く事態になるのかもしれない(ぇ


拍手でも夢でも他でもリクエストは年中受付中です
(2007/10/30)