幕末恋風記>> 他>> 幕末恋風記・弐 - 序

書名:幕末恋風記
章名:他

話名:幕末恋風記・弐 - 序


作:ひまうさ
公開日(更新日):2007.11.28
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:531 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
デフォルト名:榛野/葉桜
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p.1

 雑踏をふらりと歩く影を捕らえ、路地裏へと引きずり込む。だが、相手は暴れるでもなくただ息を吐いた。

「なんでてめぇがこんなとこにいやがる」
「あー…なんだっけ、今は、辰巳?だっけ」
 疲れたように言い、次の瞬間には俺の目の前で正体不明の胡散臭い笑顔を浮かべる。

「声かけるなら普通にしてくんないかな」
「俺が聞いてんだ。国に帰ったんじゃなかったのかよ」
 小さく小首をかしげる様子は女のようだが、男姿であるという以上にその腕前は見て取れた。庵とどちらが上だろうか。

「何年前の話よ」
「……」
「過去は、いいじゃない。それより、飲まない?」
 俺の放つ殺気を知りながら、平気で背中を向ける。だが、けっしてそれが無防備でないことはわかる。

「おごるよ」
「…マジか」
「大マジ。再会のお祝いに飲み比べとかどうよ?」
「のったっ!」
 くつくつと笑い、彼女が振り返る。一瞬だけ、その目尻が光る。

「ほんと、変わらない」
 彼女と最後にあったのは何時だっただろう。そのときと比べれば何もかもが違うはずだが、彼女は心底嬉しそうにつぶやいた。

「ホントに、変わらない」
 深く深く呟き、歩き出す姿に並んだときには、もう笑顔を張り付かせていて。酔わせてでも、その本音を吐き出させてやると決意した。

あとがき

辰巳ちょー好き。
ごめんなさい、花柳剣士伝攻略中です。
+スランプ中なんで、復活したらまともに更新します。
復活したら、もしかすると「揺らぎの葉」を全面書き換えするやも。


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