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書名:読切
章名:テーマ(500文字制限)

話名:テーマ「光と闇」 - 光と消失


作:ひまうさ
公開日(更新日):2008.12.24
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:524 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

テーマ「光と闇」

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p.1

 暗闇にいると安心するのは母親の胎内を思い出すから、らしい。

「絶っ対ウソ」
 そういう私は重度の暗所恐怖症だ。私の行く先、完全な暗闇は有り得ない。

(ライト)
 そのために光を燈すこの魔法を死ぬほど練習したからだ。一語でだせるこの超初級魔法を私はどんな状況下であっても半径10メートルまで真昼のように1時間は照らせる。普通ならせいぜい1メートルで、持続も10分程度だ。

消失(イレイズ)
 笑顔で目の前の男が呟く。とたんに私の周囲が闇に落ちる。これは上級の消失魔法だが、普通ならこの程度で私のライトが消せるはずがない。

(ライト)
 つまり、こいつが異常なのだ。

消失(イレイズ)。なぁ、いいかげんにやめないか?」
(ライト)! だったら消失魔法(イレイズ)唱えないでよ」
消失(イレイズ)。それは出来ない」
(ライト)ッ! それから、近づいてくるのもやめなさいよっ」
 彼は立ち止まり、ひとつ深い息を吐いた。

消失(イレイズ)
 辺りが闇に覆われ、再び唱えようとした口は何かに塞がれる。柔らかくて、温かなソレはとてもよく知るキスの味。

「明るかったら、お前の可愛い姿がバレるだろ?」
 甘く囁く恋人を、私は腕の中から睨みつけた。

あとがき

自分を見失った。
軽く男のほうが腹黒っぽいことに読み返してて気が付きました。
(2008/12/23)


公開
(2008/12/24)