恋愛なんてするだけ面倒だと、女子から好感度ナンバーワンの悪友は立入禁止の屋上で、フェンスに寄りかかりながら呟く。立入禁止の屋上になんでってのはそりゃ、蛇の道はってヤツだ。
「おまえ、そりゃ」
「モテる男の余裕ってやつだ、僻むな」
「口に出すなっての」
昼休みに教室で食べてると落ち着けないので、仕方なくここをこいつに開放してやってるだけだ。俺は付き添い。
「大体、女なんて喧しいだけじゃねぇか。好きじゃなくていいから付き合って欲しいとかいいながら、自分だけ見てくれなきゃだめだとか他の女と話すなとか、俺の勝手だろーが。それにババァにまで嫉妬する意味が分からん」
そんな女を可愛いと思う奴の気が知れない、と心底面倒そうに呟く。なんで俺にそんな話をするのか、されても困る。
「な、どこがいいんだ? カノジョ持ちの天文部長さん」
「ぜってーテメェにだけは言わねぇ」
「そう言わずに教えてくれよ」
恋愛嫌いの女好きに、俺の彼女の話なんかできるかっ。
「あいつに手ェだしたら、ここ開放しねぇからなっ」
「はーいはい」
わかっているのかいないのか、奴は大きな欠伸をしながら返してきた。
たまに本気で面倒で、うっとうしくなる。
でも楽しいとか嬉しいの方が多いので、いつまでも恋愛してたいな~(照
そのせいで鬱になりそうになったりもするけど。
(2009/02/10)
公開
(2009/02/13)