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書名:読切
章名:テーマ(500文字制限)

話名:テーマ「理」 - オセロ


作:ひまうさ
公開日(更新日):2009.6.2
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:448 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚

テーマ「理」


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p.1

 最後にぱちりと置かれた白石が、盤上に残った俺の黒石の運命を決めた。

「くっ、なんで俺が初めてやるナツに負けんだよっ」
 彼女は至極楽しそうに、一つずつ石をひっくり返してゆく。

「さぁ? タキが弱いだけじゃない?」
「これだったらナツに勝てると思ったのに…っ」
 全部を返し終わった彼女は満足そうに白い盤上を眺め、頷いている。

「仕方ないよ、私が勝負事に強いのは当たり前だもん」
 確かに彼女は勝負と名のつくもので負けたことは一度もない。それこそ、どんなことでも、だ。当たりすぎて面白くないとよく口にする。

「だからって、納得できるか」
「タキは理論で考えすぎなんだって」
 ぶちぶちと文句を言う俺の隣に移動してきた彼女は、自然と腕にもたれかかる。

「私が勝ったから、次のデートはぜーったいメリーゴーランドに乗ってもらうよ」
 堂々と宣言する姿はとても可愛い。可愛いのだが、それだけは絶対に嫌だ。

「ナツ様、ナツ姫様、もう一回勝負しねぇ?」
「いーけど、また私が勝つよ」
 にやりと笑う彼女に、俺はやはり勝てないのだった。

あとがき

甘さが足りない←
(2009/05/19)


公開
(2009/06/02)