空には空の、海には海の、それぞれの青がある。
海辺で眺めているとそれがよくわかる。
海の青を映したような空、空の青を映したような海。
どちらも同じで、どちらも違う。
「なにいってんだ?」
隣の人の手からすり抜けて、波打ち際まで走っていって、思いっきり海につっこんだ。
いや、最初からそういうつもりじゃなかったんだけど。
「馬鹿か、おまえは」
呆れかえった声に笑い返そうとしたら、いつものように抱き上げられた。
「あーあ、ずぶ濡れじゃねぇか」
「きもちーよ」
「ばぁか」
青と青に挟まれている、貴方の腕の中が一番好き。