ナヅナの腕にイヅナは震えながら縋り付く。
「なーちゃん、私、怖い」
自分の人の良さにうんざりしつつ、ナヅナはイヅナを引っぺがした。
「自業自得」
「得なんかないじゃんっ」
「…因果応報のがよかった? とにかく、待っててあげるから、さっさと済ませちゃいなさい」
二人のいる戸の前には社会科資料室とかかれている。
「一緒に来てよっ」
「やだよ。埃被りたくないもん」
「共犯でしょ? なんでなーちゃんは怒られないのよ」
「生徒会に入ってるからじゃない? …馬鹿兄が」
「そんなのずるい~っ」
あーもうごちゃごちゃと煩い。
思い切って戸を開く。
「ほら、ユーレイが出る前にさっさと終わらせなさいって」
そこは神隠しにあうといういわくつきの資料室だ。が、馬鹿兄がいうには単なる噂に過ぎないらしい。
「やだ…ッ」
「わがままも大概に、」
ゆらりとイズナの姿が揺らぐ。
「な、ナヅナちゃん!」
空間が揺らぐ。
「いやだ、いやだよぉ!」
なんで泣いてるの、イズナ?
この顔に弱いんだとイズナの薄茶の髪に延ばした手は空を切り、その姿はかき消えた。
--つづく←ウソです
某ゲットのSNS日記で、人様の日記イラストになんとなくイメージされて書いてみた話です。
緋色さんのらきがきの
左→ナズナ
右→イズナ
(2008/10/07)