読切>> SF/魔法系>> 人形師の守る町

書名:読切
章名:SF/魔法系

話名:人形師の守る町


作:ひまうさ
公開日(更新日):2008.12.16
状態:公開
ページ数:1 頁
文字数:604 文字
四百字詰原稿用紙換算枚数:約 1 枚
某SNSでイラストを元に書いた話
前話「ドラグサモナー - 変わらぬ絆」へ p.1 へ あとがきへ コメント閲覧 次話「人魚は死ぬと魚に還るという」へ

<< 読切<< SF/魔法系<< 人形師の守る町

p.1

 高い場所から見上げる空は時に高く、時に蒼が深い気がする。

「ユーシア」
 名を呼ばれ、顔を向ける。

「やっぱ、ここにいたな。お前見張り中じゃなかったか?」
 咎めるでない苦笑まじりの友人にこちらも笑って返す。

「ここに攻め込むのはよほどの阿呆だよ。ーー4年前の悪夢を再現したいなら別だけど」
「だからって、サボりの理由にはならねぇぞ」
「そこはそれ、リジョンに任せた」
「おま、俺は仮にも師団長だぞ」
 上司を使う気か、と小突かれる。

「師団長かぁ。えらくなったもんだよね。学生時代は万年二位だったくせに」
 彼の視線が僕の手元に移る。そこにあるのは二体のひょろりとした小さな人形だ。手足につけられた細い糸は僕の両手に繋がっている。

「学年一位様がまっとうに仕事してたら、俺だってなれやしねぇよ」
 指を動かすと彼らは軽々と跳ねてから、得意げに胸を張った。

「そんなことないって」
 すかさずガツンと拳が降ってくる。

「なにするのさ~」
「思ってもないこと言うからだ」
 人形のが素直だと言われ、かすかに笑う。

「何キモい笑い方してんだよ」
 そう言うのは彼ぐらいだ。

 塔の端で遠くを見渡す彼を少し眩しく眺める。

「なあ、ユーシア。そろそろなのか?」
 不意に言われたのでなんのことかわからなかった。

「お前のじーさんの予言」
 ああ、覚えてたのか。

「あれはデマだよ」
「じゃあなんで今更見張りに立ってんだよ」
 俺は騙されねーぞ、と快活にリジョンは笑った。

あとがき

某SNSでイラストを元に書いた話。珍しくシリアス風味。
ケータイで書くと指が疲れるからここまでにしました。
続きが読みたい方はメールかWeb拍手で要望をあげてください。
(2008/12/16)

こめんと閲覧

  • わ、わ..!すばらしいです!イメージもバッチリなのです!
    お話作ってくれてありがとです!o(・・*o(..*oペコッ
    (2008-12-15 21:10:00 eL)
    • イメージ合ってましたか。良かった
      (2008-12-15 21:22:00)